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海外生活│世界共通語「kawaii」についてシンガポールで考える。

Kawaiiは世界に通じる日本語のひとつだ。
日本人は何にでもすぐにかわいいと言うよね、と外国人はよく言う。
たしかに、私はよくかわいいと言っている自覚がある。みんなはかわいいって言わないの?と疑問に思う。しかし、振り返ってみると日本にいたときと比べて、シンガポールに来てからかわいいという頻度は減ったと思う。

どうしてなのか考えた。
自分が何にかわいいと言っていたのかを思い出し、シンガポールの街を歩き、いきついた答え。すぐにかわいいと言うと言われる日本人は何にでもかわいいと言っているわけではない。
日本はかわいいものであふれているのだ。

シンガポールには雑貨屋が少ない。食器はキッチン用品店へ、タオルはスーパーや百貨店の日用品売り場へ、といった感じ。アフタヌーンティーリビングやフランフランのように食器、タオル、お弁当グッズ、文房具など、いわゆる女子の好きが集まったお店がない。ロフトのように複数のフロアにまたがって文房具からコスメ、家電まで取り扱うお店もない。ただただかわいいが詰まったガチャガチャもない。文房具以上の価値のある文房具たちも日本ならではだ。

シンガポールの人たちはかわいいに興味がないのだろうか。
それは、シンガポールに進出する日本企業からも読み取ることができる。

シンガポールには日本の企業が多く進出している。店舗を構える有名な企業でいうと、ユニクロ、無印良品、ニトリ、ダイソー、ドン・キホーテ(シンガポールではドンドンドンキ)などである。どれも、日本の機能性やアイディアを求めるもので、デザインはシンプルなものが多い。そう、シンガポールでは日本の技術の需要が高いのだ。

では、シンガポールの人たちは本当にかわいいに興味がないのだろうか。

外国人の友人は日本人が持っているものを見て、それかわいいね、どこで買ったの?と聞くことがある。それはたいてい日本で買ったものだ。日本のものは外国の人から見てもかわいいらしい。小さな店構えではあるが、ディズニーグッズやサンリオグッズを販売するお店もちらほら見かけることがある。外国人が日本人の思うかわいいに興味を持ち始めたのかもしれない。

アニメなどから発信され始めたKawaii。
近年ではサブスクが普及し、映画やドラマからも広がっている。外国人が実際に日本に行ったとき、きっとかわいいものの多さに驚くだろう。ドラマに映る以上のかわいいものであふれているのだから。

すでに世界共通語であるKawaiiだが、まだまだアニメやオタク文化にとどまっているところがある。たぶん日本語のかわいいは外国人の思っている以上に意味合いが広い。日本のKawaii文化がもっと世界に広がっていくと私はうれしい。

実は、日本人はよく何にでもかわいいって言うよね、と言われてからかわいいというもの少しためらっていた。
でも、これからは自信をもってかわいいという言葉を使っていきたい。

それが大事な日本の「かわいい」文化だから。


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