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コンサータ飲んでみた

タイトルの通り、コンサータを服用したことで変わったこと、メリット、デメリットなどを記録として書いておきたいと思います。
もしこれを読んでいる人でADHDなどの疑いがある・または診断済でコンサータを使うことを検討しているけれど本当に効果があるのか、副作用があるのか心配している人がいたら参考にしていただければと思います。
あくまで一個人の感想でしかなく、症状や効果の程度は人によって違うということを念頭に置いてください。


基本スペック

20代女大学生、数ヶ月前に発達障害診断済、ついでに半年程前から鬱診断済、心療内科に通院中、オタク

障害の内容:ありえないくらい物や言われていたことを忘れる、メモしてもメモをなくす、メモの存在を忘れる、常に頭の中に雑音があり注意力が散漫、起きている時間の9割は髪を触っている、物事の優先順位を判断できない

大学生まで心療内科に通ったことがなく、生活に大きな支障もなく発達障害などの心配もされなかったためおそらく私の障害の程度は軽度なものです。
私は鬱も発達障害もわざわざ人に言わなければ気づかれるようなものではありません。人とのコミュニケーションは不得手で友人も少ないですが元々内気な性格なのとあまり気にしてもいないのでここは障害が大きく出ているわけではないでしょう。もしかしたらコミュニケーションや人間関係においてヤバい奴だと思われていたのかもしれませんが、少なくとも親や教師に指摘されたことはないので一応そういうことにします。
鬱になった経緯や発達障害と診断されるに至った経緯などはかなり個人的になる上あまり話したいことでもないので話しません。

そもそもコンサータって何

ではコンサータの効果について話していきますが、まずコンサータの効能はなんなのか。

「脳内の神経伝達機能を改善し、注意力の散漫や衝動的で落ち着きがないなどの症状を改善する薬」

日経メディカル 処方薬辞典 コンサータ錠18mgの基本情報

らしいです。
つまりADHDであることによって発生している症状を抑え、本来の能力を出せるようにする効能があるわけです。ではコンサータによって私の生活はどう変化したのか。

コンサータ服用のメリット

1 課題がめちゃくちゃ進む

課題に限りませんが、文章を今まででは考えられないくらい短時間で正確に書けるようになりました。

私の在学している大学の学部は成績がほとんどレポートと出席で構成されており、最後に試験ではなくレポートを課すところがほとんどです。
私は出席はしっかりしていたもののレポートで単位を落としまくっていました。文章を書くのが特別下手なわけではありません。とにかく締め切りを忘れるか、書き始めても全く進まない(締め切りを忘れることに関してはともかく、そもそも忍耐力がなく考える能力がないのではないかと指摘されそう)。

例えば書いていても関係ないことが頭の中で延々と繰り返される、音楽が流れて次書こうと思ったことを忘れる。何を考えるべきかわからなくなり、ただ頭の中で流れる思考に身を任せぼーっとしてしまう。それを繰り返すうち1日が終わり、全く終わらず、そのままやる気をなくすなんてことは経験した人もいるのではないでしょうか。

しかしコンサータを飲んだ後に書いたレポートは全て1つ3時間程(約2000字/時、かかった時間には誤字や内容の確認、参考文献の調査を含む)で終えて提出済、点数も悪くありません。コンサータを服用したことでレポートに対する集中力が格段に上がり、また頭の中に常にあった雑音や思考がなくなったことでスムーズにレポートを書くことができました。

このコンサータレポもコンサータを飲みながら書いていますが、もしコンサータを服用していなければ書き終えて投稿することすらできていなかったでしょう(終わった後に追加しますが、この文章全てを書き終え、確認し、note用に編集し終えるのに3時間ほどかかりました)。

コンサータが与える集中力は凄まじいもので、書いている途中は今自分がやっていることしか目に入らなくなります。にも関わらずほどほどに周囲にも気を配ることができます。頭の中を強制的に整理させる効力もあり、常に頭の中で流れていた余計な思考や音楽は消え失せます。そしてレポートで次に何を書くべきか、書くためにはどのような資料や数値が必要なのかなどがスラスラと思い浮かんで速やかに実行できるようになります。自分がやるべきことを筋道立てて考えることが可能になり、結果として課題を終わらせることが容易になります。

2 言いたいことが言語化しやすくなる

コンサータを飲んでからしばらくして、親に「口が達者になったね」と言われるようになりました。曰く、「ちゃんと言いたいことを言うようになった」と。

前述した通り私は元々内気な性格です。生来気性も穏やかで、反抗期もなかったし友人と喧嘩をしたことすらありません。なのでこれも元々の性格がちょっと変わっただけと言われればそれまででしょう。

しかし親からも言われた通り、確かに言いたいことをしっかり表現して本心そのままに言えるようになりました。これは「今まで言えなかった本音が言えるようになった」ということではなく、「脳内でうっすら考えていた意見をそのまま思っている通り言語化できるようになった」ということです。今まで言語化を阻害していた余計なものがコンサータによって取っ払われ、クリアな思考回路になったということでしょう。そのため言われたことに対し言いたいことがすぐに口に出せるようになりました。

発達障害によって「人に言いたいことがいまいち伝わらない」という悩みを持っている人にはかなり良い効果だと思います。

3 多動がなくなる

ある意味、私にとってはこれが一番嬉しい効果かもしれません。そもそもこれが発達障害による症状なのかわかりませんが、コンサータを飲んだ後明確に効果が現れた部分なので記述しておきたいと思います。

私は起きている時間の9割は髪を触ってしまいます。勉強している時も人と話す時も遊んでいる時も食事している時もライブに行っている時も髪を触ります。なんならスマホよりも髪を触っています。
この症状によって最も困っていたのが頭痛がひどくなるということです。別に飲んでいる薬の副作用や気圧に弱い関係で元々頭痛はありましたが、この癖でよりこめかみの頭痛がひどくなりました。こめかみ辺りに垂れている同じ箇所の髪をずっと少し引っ張りながら触っているからです。髪を結んでも一部分を摘んで触るのがやめられません。しかも物理的に引っ張っていることによる頭痛なので触るのをやめることしか解決法がありません。大きな多動性がない代わりにここに全ての多動性が出ているのだと考えています。髪を触っていないと落ち着かないのです。

課題ができない・思考がスムーズにできないことはもちろん困ることですが、これは身体的なダメージに直接つながるので一番困っていました。

結果的に、コンサータを服用することで髪を触る頻度は明らかに減りました。完全になくなったわけではありませんが、起きている間9割の時間触っていたのが4割くらいに減りました。これでも頭痛のひどさは著しく変わります。
他者からの反応もあまり気にしていませんでしたが、舞台や映画などを見るときはこの症状で人に迷惑をかけていたこともあると思うので、確かな改善と言えるでしょう。

コンサータの副作用・デメリット

ここまで3つコンサータを服用して良かったことを挙げましたが、では副作用やデメリットはあったのか?
一般的に挙げられる副作用は以下のようなものだそうです。

食欲減退 、 不眠症 、 動悸 、 悪心 、 体重減少 、 鼻咽頭炎 、 咽頭炎 、 胃腸炎 、 鼻炎 、 ヘルペスウイルス感染 、 インフルエンザ

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結論から言うと、私は2つありました。

1 眠気がなくなる

不眠症がある人にとっては大きな副作用だと思います。ただ、コンサータを正しい時間に使用すればこの副作用はむしろ良い方向に働きます。(ただ単に自分が馬鹿案件ですが、一応本当にあった副作用なので…)

私自身不眠の気があったため、コンサータを服用する前から睡眠導入剤を使用していました。
しかしコンサータを処方された日、課題を早く終わらせたいあまり調子に乗って夕方にコンサータを飲んだところ(朝に飲むようにと言われていたにも関わらず…)、その日は睡眠導入剤を服用しても眠ることができず、徹夜する羽目になりました。
しかも次の日友人との予定が入っており、徹夜のままディズニーランドに行きました。(ディズニーはエンジョイした)

コンサータには効き目が続く時間がはっきりあるらしく、朝8時に飲んで効能が16時ごろまで続くようです。
おそらく初めて飲んだ日は特に効能が強く、コンサータの力と睡眠導入剤の力がぶつかってコンサータが勝ってしまったのでしょう。

副作用として実際上げられてはいますが、しっかり時間通りに飲めば日中集中して一般的な規則正しい生活を送ることができると思うので、服用する時間はきちんと守りましょう

2 依存性がある

これはシンプルなデメリットです。私はコンサータを服用する前、ADHDの症状を抑えるためにアトモキセチンという薬を服用していました。コンサータと効能はだいたい同じですが、コンサータよりも効き目は弱いです。なぜ効能の強いコンサータを服用しなかったのか?

依存性があるからです。

コンサータの効能の強さは唯一と言って良いもので、似たような効能の薬と比べても効き目が顕著に出ます。コンサータには麻薬と似た成分が配合されているためです。

主治医「コンサータのカプセルを体に入れる前に開けると薬物所持で捕まるよ」
私「カプセルが閉じていれば良いんですか?」
主治医「うん、カプセルが閉じていたらセーフ。変だよね〜。ハッハッハ」

という会話がなされたりしましたが、そういうことです。あんまり笑い事ではない。

アトモキセチンを服用していましたが強い効果は私は感じませんでしたし、コンサータを服用して圧倒的な生きやすさを実感しました。そしてコンサータを使うのをやめて、この生きやすさはコンサータを飲まないと得られないのだと少し絶望しました。

私がコンサータを服用することになったのはあまりにも課題が進まず主治医に相談したからです。主治医は課題がある時期だけに限定し、私に2週間分のコンサータを処方しました。結果として課題は1週間もかからずに終わり、親が心配したこともあって残り1週間分のコンサータは服用をストップしました(これは主治医にも相談した上でストップしました)。

しかしこうして今、コンサータの効力を記述するためにコンサータをまた服用しています。

何年前かにTwitterで「受験生の子供の集中力を上げるためにコンサータを処方してもらっている」という趣旨のツイートを拝見しました。もしかしたらその子は実際かなり発達障害の症状が出ており、やむなくコンサータを処方してもらったのかもしれませんし、受験が大事なイベントであることも理解できます。
おそらくコンサータはちょっと集中力がないからといって処方してもらえるものではありませんし(少なくとも私の通う心療内科ではそうです)、処方を許可されていることを証明するカードの発行が必要です。

しかし私が実際にコンサータを服用したことで、症状が顕著に出ている・生活に強く影響している人ではない限り服用しない方が良いものだと考えるようになりました。私も服用しなくとも大学卒業・就職ができる状態であれば服用をやめたでしょう。
でも実際私はレポート期間にコンサータを飲まないと大学を卒業できないでしょうし、就職しても大きな仕事はコンサータを飲まなければできないかもしれません。本当は飲めるなら期間外も服用を続けたいですが、普段は生活に大きな支障がないのでできません。

最後に

結論

  • コンサータは効果が強い代わりに依存性も強い

  • でも生きづらいなら飲んでみてほしい

コンサータは副作用が人によって違うと言われており、中には頭痛や吐き気がひどくなるため服用ができない患者もいるそうです。
私は幸いと言うべきか副作用が全くなく、コンサータを飲んでいるときはかなり快適に過ごすことができました(私はむしろアトモキセチンの方が副作用が強いです)。

服用する・しないを最終的に決めるのは本人と主治医ですし、発達障害で困っているのであれば生きやすさはほとんどの場合格段に上がるでしょう。
しかし副作用が強い場合もあること・効果が強いあまり依存性があることは念頭において決めてほしいと思います。服用している間の生きやすさが上がると同時に、服用できなくなった時の生きづらさの実感も強くなります。人生は短いと思っていても意外と長いし意外と生きられてしまうものなので、一応立ち止まって考えてみてください。
(でも私は飲んでみるのが一番良いと思う)

このレポが少しでも発達障害で困っている人の参考になれば幸いです。

もし何か疑問があればコメントをください。もし話しにくいようであれば、私のTwitter(X)のDMにご連絡ください。一応DMは全員に向けて解放しています↓

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