『ソー:ラブ&サンダー』を占星術から見る

見た映画に関しては何かしら書くネタになるだろうということで、書くことにした。

見たのは『ソー:ラブ&サンダー』。
マーベル映画は、長大なシリーズものの一部分にしか過ぎず、全体を統括するプロダクションの管理下で制作されるために、映画の内容も監督の作家性が十分に発揮されることはないことが前提にあるが、それでももちろん監督の個性は幾分か出ている。
監督は、タイカ・ワイティティという変わった名前の人。この人は前作『マイティ・ソー バトルロイヤル』も監督している。今作は監督だけでなく脚本にも参加している。
映画の感想としては、飽きずに見れたけれども、内容に深みはなく、暇つぶし程度だったといういかにもマーベル映画な感じだった。子供の頃に見ていたらもっと喜んでいたとは思う。
映画批評は、作品の背景を調べた上で解説を施すのがスタンダードなのだろうけれども、このブログは映画批評のブログではなくて、占星術のブログなので、そういう手間のかかる解説は入らない。

ワイティティはコメディが得意な人なようだが、ギャグが要所要所に入っていて、それを滑り倒しているという人もいる。僕は字幕版で見たのだが、はっきり言って意味がよくわからないギャグも多く、しかも連続で繰り出されるので、滑っているのかどうかすらわからなかった。なんか面白いことを言おうとしているのはわかった。
ワイティティの馬鹿馬鹿しいもの好きな性格が、ホロスコープではどこからくるかというと、獅子座の太陽と射手座の月でどちらも火のサインであることと、海王星が水星とスクエアで天然ぶっ飛びの言動ということになると思う。
ナタリー・ポートマンが余命幾許もないがん患者を演じている。彼女はムジョルニアという神話的ハンマーの力でソーに変身する。金星は健康問題に関係する乙女座で、神話世界を意味する射手座の海王星とスクエア。スクエアは変身することを意味していて、ハンマーを手放すとナタリー・ポートマンは、元気のない病人に戻ってしまう。オーブを広く取ると、火星と金星はスクエアになって、戦闘的な女性というイメージに近くなる。双子座初期の火星はお喋りを加速させるので、過剰なギャグが多い作風の説明にもなる。
ネタバレを入れると、ラストでクリス・ヘムズワースが演じるソーが、宇宙人の子供を養子に迎える。牡羊座=宇宙人の木星と、天秤座の天王星=遠いルーツが、蟹座=家庭の土星にTスクエアの配置になっていて、宇宙人が予期せず家族の一員となる、という物語のオチを裏付けている。木星と天王星のアスペクトは、特異で新鮮な発展性をもたらすので、それはポジティヴな筋書きだとワイティティは考えている。
途中画面がモノクロになる場面があるのだが、モノクロには色が無い分、輪郭が際立って見える視覚効果がある。古いモノクロ映画と比べても、カメラの機能は格段に向上しているので、それとも違った見え方になっているはず(古いモノクロ映画を映画館で見たことがない)。白黒の表現で明確化される輪郭を好むというのは、おちゃらけた作風から見ると違和感もあるのだが、こういう趣味は乙女座にある水星と金星のコンジャンクションの性質が表れている。


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