金星雑感

金星には甘ったるい感じがある。そこには怠惰の気配がある。トートタロットやウェイト=スミスタロットなどのゴールデンドーンから派生したタロットの小アルカナの7のカードは生命の木のネツァクに対応している。ネツァクは惑星との対応では金星である。トートタロットでは特に7の系列のカードはネガティヴに解釈されている。カップ7は「堕落」。ソード7は「無益」。ディスク7は「失敗」。ワンド7は「勇気」。
占星術では男性のホロスコープで金星にアスペクトが多かったり、アングルによって金星が強調されていると女性との縁が多くなると考えられている。月だと母性的な側面が強調されるが、金星は恋愛関係と特に結びつきやすい。金星が強調されると人当たりの良さとか、快楽主義的な傾向が伸び伸びと発揮できる。それが女性からするととっつきやすく感じられることになると思う。これは心理的見地から見た解釈だが、現象的に見ても、金星が強調されていれば、金星という若い女性などに関係する出来事を呼び寄せやすいことをそのまま表している。
金星の否定的な側面を言えば、楽しければよくて、努力しなかったり、無責任だったりする。それでダメな男の方がなぜかモテると言われていたりする。でもそういう男性の方が楽しませてくれることは多いのかもしれない。美意識も高いのでおしゃれだったりもする。
現代占星術では金星は金運を見る時の有力な指標とされている。ただこれまで書いてきたことを考えると、金星はお金を使って楽しんだり、怠けたり、生活環境を良くしたりすることのポテンシャルを示しているのではないかと思う。一方でお金は、社会的なパワーの指標にもなるので、そういう場合は木星を見た方がいい。冥王星と木星のアスペクトは富豪のホロスコープでよく現れる。贅沢をしない仕事人間のお金持ちは多い。
こういう占星術用語を使った説明的な文章は書いていると大した分量でもないのになぜか疲れる。ぼくに占星術の教科書は書けない。でも書いてしまったのは、ルナリターンで水星や3ハウスや9ハウスが強調されているからで、一時的なものに過ぎない。書きやすい文章を書いてこそ継続もできるということで、書きやすい題材に流れて行きたい。占星術のことを知らない一般の人を占うときには、用語を使った説明はむしろ邪魔になるので、用語を排した説明力があるといいのだが、そういう言語能力は占星術の本を読まない方がむしろ身につきやすいのではないかと思う。占星術だけの勉強で開発せれる知的能力には限界がある。現代占星術は心理的解釈に重点が置かれているが、それならば人間の心理構造を詳しく知るために、別の方面からの知識を得ることが当然重要なのだが、ネットでプロの占星術師の発信を見ていても、それができている人は少ないようで、どうも蛸壺化しているように見える。だから占星術と別分野の知識を複合化して、実用的なアプローチを取れば面白いことができると思っている。

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