占星術の知識を深めるには、自己理解が欠かせない

占星術を勉強し始めて数年になる。
占星術の難しいところというか、占星術に限らずいろいろな分野でそうかと思うけど、人間生活があった上で成り立つものは、結局人間をよく理解することをしないとあまり深まっていかない。
人は自分の視点に縛られる面が大きくて、その自分のレンズを通してしか物事を見ることができないので、さまざまな可能性を見ようとしないし、間違った考えにこだわり続けたりしてしまう。

世の中に争いが絶えない原因は、そうやって多くの見方がある中の一つに過ぎない自分の見方に囚われていることにある。
多角的に物事を見ることを習慣づけると、自分の中に客観性が増してくる。
そうすれば周囲の人との摩擦も少なくなるし、スムーズに物事を進めることができるようになる。そうした方が生活は楽しく、愉快なものになる。

占星術の話に戻ると、自分のホロスコープに従って、占星術と自分との関わりは個性的になっていく。細かく見れば、誰とも同じになるということはない。
それでしばらくは自分がやりたいこと、自分にできることはどんな風なことなのだろうかと迷ってもいた。

占いの番組を見ると、占い師の言ったことに対して、相談者は「それ当たってます!」と驚いてみたりするのが定番化している。
それが素晴らしいことであるかのように見る人も思ってしまうのではないか。
でも占いの醍醐味はそこにあるのではないと思う。
何か悩みがあって、それを解決したいと思って、人はわざわざ占い師に相談にくる。
悩みを解決するということは、自分の行動や思考のパターンを変えるということだ。
それが上手くいっていない本当の理由には、自分で気がつけていない。
それを知らないから、盲点になっていて、同じ状態から抜け出すことができない。
なので、「それ当たってる!」というときは、自分でもわかっていることを指摘されているということになるから、そういうことにはあまり意味がない。
むしろ核心を突くような言葉は、それを指摘された当人にとっては、すぐには理解できなかったり、思わず反感を抱いてしまうようなものかもしれない。

自己同一化してしまっている特定の物事の捉え方を相対化することで、ホロスコープを読む技術は高まっていくし、相談者に助言をすることもできるようになる。

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