ゴッホの「星降る夜」に隠された意味~ゴッホはどこまで東洋の神話を知っていたか……

ゴッホの作品で、「星降る夜」というのがある。
「星降る夜、アルル」とか、「ローヌ川の星月夜」とか言われるやつである。

※ゴッホの作品の著作権は切れているので作品を堂々と紹介できるのがいいよね。

この作品のなかで描かれる星空が、現実的にはおかしい、とされている問題について考えてみたい。

つまり、ローヌ川からみたアルルの街は、実際には南西の方角にあり、ほぼ真北で下方通過している北斗七星のように見える、この特徴的な星の並びについて、どのような意味で描かれたのかが長年の謎とされているのだ。
北斗七星は、その名の通り、北の空に輝く星座で、このような形に見える邦楽は、当然「北」となる。
しかし、この地上に描かれた季節は「南西」なのである。

大阪市科学館の石坂千春学芸員は、「秋の四辺形」説を唱えるが、これもおかしい。
秋の四辺形が沈んでいく方角がだいたい真西の方角。そこから、氏が唱えるようにアンドロメダ座方面の星空を見ていく、となると、それが地平線近くに見える方角は西~北西となる。この辺りの星空が南寄りの空に見えることはありえない話で、つまり「北斗七星だと方角がおかしいから考察した」とする結果からは微妙なところ。
ステラナビゲーターの画面を見て勘違いしているようであるが、この図で「南西寄りの空」に見える秋の四辺形からのひしゃく形は、高度60~80度にあり、つまり実質「てっぺんのところに見えるあの星」という高度。しかもAPS-Cの一眼レフカメラでいえば、18ミリの画角に入りきるかどうか、くらい巨大なのである。
北斗七星の大きさにしても、小さめに描かれているこの「北斗七星」が、「秋の大柄杓」である可能性は高くはなさそうだ。

というわけで、秋の大柄杓説を中心に、3つほど説を出して、検討をしてみたいと思う。

氏が、「秋の大柄杓」説を言わんがために作った番組に、1つヒントがあったのだ。(続く)


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