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全編がすごいメスバル催眠事件

 いやあ、おもしろかったですねぇ、メススバル事件。大好き。
 まだ知らないという人は、youtubeで「メスバル」かなんかを検索してただちに関連動画を見た方が良いです。

 いちおう概要を説明しておくと、2021年1月27日、大空スバル(敬称略・以下同)がとつじょとして
「スバルだって…女の子なんスょ…」
https://twitter.com/oozorasubaru/status/1354320807988584450
 というツイートを赤面フォトとともに投稿し、大量のホロメンとホロリスナーが歓喜とともに食いついたという事件です。
 続いて水着フォトまで投稿され、事態はさらに大ごとに。あの色気のない大空スバルが、スバルといえば色気がないの枕詞がつくあの大空スバルが、急に女を出し始めた、いったい何があったんだ、というんで、このモードのスバルを「メススバル」「メスバル」と呼ぶようになったということでございます。

 この事件の真相は、「私たちの日常に潜むお題にチャレンジ!【#ホロライブアイドル道?】」という企画であったというもの。
https://www.youtube.com/watch?v=nHZZsT9sAJY&t=0s
「1日、大空スバルのツイッターアカウントを宝鐘マリンが運用したらどうなるか」
 というチャレンジの産物であった、ということでした。ようするにメススバルツイートは宝鐘マリン船長が作成して投稿したものだったわけですね。

 これはすごかった、みやぶれなかった、面白かった、という感想が大多数を占めるいっぽう、大空スバルガチ恋勢、通称アヒージョの皆さんの中には、「純情をもてあそばれて傷ついた」という人も少数いるようで。(気持ちは多少わかる)

 私は前述のとおり、「こんな面白い出し物はひさびさに見た」ほどの感想です。この出し物、全編のクオリティが高い。


■宝鐘マリンの才も凄いが

 何べんでもいうけどマリン船長ほんっとに頭いいですよね。今回のツイートにそれがおもいっきり出ている。

 マリン船長が作った偽スバルツイートは、

1.大空スバル本人が絶対言いそうにないことであり、
2.それでいて仲間やファンたちが大喜びする内容であり、
3.しかも種明かししてみると実にマリン船長らしい。

 という三拍子がそろっていて、正解があるならこれが正解だといえるもの。
「後からみてみると、当時もっとよく考えていれば見破れたような気がする」
 というふうに思わせるような作りの甘さを残しているところも念が入っている(わざとでしょう)。

 だけど、本件に関しては、もっと凄かった人がいる。それは、


■真の黒幕は大空スバル

 当事件に関しては、大空スバル本人がいろんなところで解説しているが、彼女があえて粒立てて話していないポイントがある。

 それは、
「この出し物をプロデュースしたのは大空スバル本人だ」
 ということです。

 種明かしのときに明かされていることだけれど、
「ちょっと、一日ツイッターをあけわたすから、スバルになってみて」
 というチャレンジのお題を船長に与えたのは他でもないスバルちゃん本人です。

 そのことに気づいたとき、私は「あ、そういう裏テーマがあったか」というふうに思いました。


■大空スバルが手に入れたかったもの(推定)

 以下は全部推定。
 ああそうだ、先にこの但し書きをのっけておきます。

 注:この文章は「私の頭の中の」ホロライブメンバーについて話しているもので、フィクションの一種だと思っていただけると助かります。現実の本人のことをこうにちがいないと決めつけるものではありません。

 大空スバルは、日進月歩のvtuber界で、自分なりのやり方でここまで上がってこられた。国内だけで一万人以上いるといわれるvtuberの中で、トップ集団の団子のなかには確実に入っているだろう。

 けれども、自分なりの今のやりかただけでは限界がある。今のやり方を漫然と続けていても、ここからさらに上に行くということは難しいだろう。

 ……というような感覚を彼女は持っているんじゃないかと私は推測するわけです。推測っていうか、vtuberに限らずどんな分野でも、そういう問題意識を持っている人だけが上に行けますよね。だからもう、大空スバルみたいなすぐれた人は、当然そういう問題意識をもっている。

 どうしたら、もっと上にいけるのか。
 さいわい、まわりに、参考になる同僚がいっぱいいる。宝鐘マリン船長なんかそうだ。船長は、大空スバルとはまったく別の方法論や商材をつかって、めちゃめちゃ結果を出している。

 裏でディスコードを使って、いろいろ船長に相談したりはしているんだけど、どうも「これだぁ!」という気づきまでたどりつけない。
 それはまあ、あたりまえなことで、船長とはキャラクターがそもそも全然ちがうし、持ってる知識のジャンルがまったくかけはなれている。重なるところがなくって参考になりにくい。

 そういえば、「ババドナ未知との遭遇」コラボで、「スバルに催眠術をかけて好きなように操りたい」みたいな気持ち悪いことを船長言っていたなあ。

 もし船長が大空スバルというvtuberだったら、どういう活動をするのか知りたい。船長、ちょっと幽体離脱して、スバルに乗り移って一日活動してくれないかな。

「大空スバル」
 という同条件を与えられたら、船長がどうするのか見たい。
「大空スバルという条件を与えられた自分」はこう活動するけど、「大空スバルという条件を与えられたマリン船長」はこう活動する。その違いを見て、自分の糧にしたい。

 ということを思ったか思わなかったかはさだかではないけれど、私(筆者)は思ったにちがいないとおもっているけれど、そんな折、「ホロメンの誰かにムチャ振りをしてみよう」という企画が降ってきた。
 ちゃーんす。
 この機会に船長には、スバルになってもらおう。そうしたら自然に種明かしもできて、笑いになって、しかも自分としてはめちゃめちゃ参考になる!


■マリン船長が考えたこと(推定)

「船長がスバルだったらどういうふうにするのか見たいんだけど」
 そういうことを相談されたマリン船長。
 ふむ、と考え込む。

 ようするに、スバル先輩がうまくすくい取れていないニーズに気づかせてあげればいいわけだ。

 それはマリン船長からみたら簡単なことで、

「スバルのリスナーは、スバルに恋したいと思っているのに、スバル本人は絶対にそこには踏み込ませないムーブをしている」

 大空スバルとリスナーのあいだには、かなり強固なガラスの壁があって、リスナーは壁の向こうには絶対に入っていけない。そういう点に関しては、彼女はなんと白上フブキよりも徹底してきびしい。スバルは絶対にハートを他人に触らせない。

 たまにスパチャ読みでガチ恋告白リスナーがいても、「ありがとうー」くらいの木で鼻をくくったような返事しかしない。

 だけどさあー、そこをもうちょっときちんとくすぐってあげなさいよー、とマリン船長は即座に思う。リスナーのそういう気持ちをうまくくすぐるのが三度の飯の次くらいに好きな船長は、「そこが我々vtuberの勝負どころでしょうよ」くらいのことを言う(ような気がする)。

 だからマリン船長は、スバルのツイッターを任されたら、しょっぱなこういうツイートを仕掛ける。

「スバルだって…女の子なんスょ…」

 これは、含みの部分を言い換えたら、「スバルだって恋をするのです」という意味になるだろう。それはつまり、「あなたたちがスバルの恋の相手になるかもしれないのだ、あなたたちはスバルに恋をしてもいいのだ」というサインになる。

 あの大空スバルがガードを下げた。いま、手を伸ばしたら、彼女のハートにさわれそうな気がする……。

 実際にはハートにさわれなくていいのである。ハートにさわらせるような真似は船長だってやってない。でも、「手を伸ばしたらさわれそうな気がする幻想」は必要で、リスナーは幻想だとわかっててもそれを求めているのだから、そういうまぼろしをきちんと与えてあげればいい。

 スバルに恋したい、というリスナーの気持ちを、ガラスの壁で跳ね返さずに、きちんと受け止めたらいいんだよ、私が大空スバルだったら、そういうセルフプロデュースをするけどな、というのが、この問題に対する船長の答案だったのだろう……と、私はこう読むわけです。


■いちばん優れていたのは

 種明かしと振り返りの配信がひととおりあったけれど、大空スバルは、「スバルこんなこと言わない!」みたいなことを言ってない。

 スバルが言ったのは、「スバルだったらここまでは踏み込めない。勉強になった」
 そりゃあね、ちょっとばかしガードを下げて、挑発的なことをいうだけで、これだけの猛烈なリプライが飛ぶことがわかったのだから、ものすごい実体験が得られただろう。自分が自分であるかぎり絶対に収集できないデータを大空スバルは手に入れたことになる。

 この一連の流れ、全編がハイクオリティだったのだけど、この中で私がいちばん優れていると思うのは、

「スバルの体を一日船長に与えてみたら、どんな知見が得られるだろうか」

 という大空スバルの発想だと思う。

 以前、しぐれうい先生が、「スバルはとても頭が良い」という端的な評価をしていたのが、とても印象に残っているのだけど。
 本当にそうだよね。

#ホロライブ #vtuber #大空スバル #宝鐘マリン #メススバル #メスバル   #Vtuber考察

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