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ロマネスク教会とボーヴォワール

前にも書いたと思いますが、無神論を標榜していたボーヴォワール(サルトルの契約恋愛の相方)はなぜかロマネスク教会を見て回るのが好きだったようで、

・『決算のとき』朝吹三吉、二宮フサ訳 紀伊国屋書店 1973-1974 (Tout compte fait, 1972)

第四部(上)p243:

上巻p234からロマネスクについて旅行記として触れられている。かなり細かく回っている様子。サン・サヴァン、ポワトゥー、ポワチエ、アングレーム、オネーほか。

ここではオータンについて引用しよう:

「私はオータンと、荘厳のキリストが君臨するあのすばらしいティンパナムを再び見た。 カテドラルの教会参事会室で、カテドラルから移した柱頭をま近に見ることができる。これはめったにない僥倖だ。教会堂の中だと、首の骨がはずれそうに仰向いても、彫刻の細部は遠くてよく見えない。ここでは、目の高さにそれがさし出されている。私が特別に気に入ったのは、繊細な襞のある大きなマントの下で、王冠をつけたまま眠っている三人の東の国の王様を、天使がよびおこしている柱頭だった。」

私の撮影した20年以上前の写真を入れておきましょう。

「三人の東の国の王様を、天使がよびおこしている柱頭」
「荘厳のキリストが君臨するあのすばらしいティンパナム」

 トップ画像はティンパナムの中央の「荘厳のキリスト」です。
 オータンは電車旅でも行きやすいのでおすすめですね。他は,レンタカー借りたりしないと大変かも。

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