ジョバンニの活字拾いとピンセット:ますむらひろしと宮沢賢治
ジョバンニといえば、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』である。今回は『銀河鉄道の夜』に出てくる活版所の章の描写について書きたいと思う。
きっかけは小石川にある印刷博物館の印刷工房ツアーに参加したことだった。元々は卒論で近世の出版物/文化を扱うために企画展の和書ルネサンスを目当てで訪問したのだが、ちょうど印刷工房ツアーも開催されていたので申し込んだのであった。
ツアーの中で最も印象的だったのは、やはり活字の並ぶ棚であった。実際に職人さんが使っている棚、との説明の通り、ツアー中にも職