コーナーはどう曲がるべきか? #sxsradio ep.86

元プロロードレーサーの西薗さん@NishizonoRyota が各界のいろんな人とお話をする一部のマニアに人気のポッドキャスト Side by Side raido  ですが(私の出た回はそっとしておいてください(^^; )、第86回(1/23現在、正式版はまだpushされてませんが)では、シクロクロス(以下 CX)のトップカテゴリー  C1 で走る御三方(こっしーさん @mkossy、ざいこーさん@Zaikou、たかだくんさん("たかだくん"は固有名詞))@offcourseyass がゲストでCXでのいろいろなテクニックについて語っていました。

私はCXはやらないのですが、非常に興味深い内容が語られていて、その中でひっかかったことを少し掘り下げてみます。

1.  自動二輪・クルマはアクセル・オンで曲がる

これはたかだくんさんが語ってたのですが、モーター付きバイク(自動二輪)やクルマは必ず、コーナーではアクセルを開けて(つまり加速して)曲がるのが自転車とは違う、と。自転車はニュートラルで曲がることが多いけど、CXではバイク・クルマの感覚で踏みながら曲がる、とのこと。これはどういうことなのか、ちょっと考えてみます。

クルマも自動二輪もアクセルオンじゃなければ必ず減速します。クラッチを切らない限りエンジンブレーキが掛かるからです。したがって、コーナーを一定スピードで曲がるためにはアクセルオンじゃなければなりません。加速するならなおさら。自動二輪なら減速すると遠心力が減るので倒れてしまいます。そうならないためにはバイクを立てるので、曲がれなくなります。

また、自動二輪の場合は普通は後輪駆動なので、加速すると後輪荷重になり駆動輪が滑りにくくなります(4輪の場合は駆動輪がいろいろでよくわからないから省略(^^;  )。

一方、自転車の場合、エンジンブレーキはないので、"あまり"減速しません。"あまり"というのは、路面抵抗や空気抵抗で少しは減速するからですが、自動二輪やクルマほどではありません。なので、たいていのコーナーで自転車では足を止めたまま曲がれます。さらに、CXというよりロードの場合ですが、自転車のコーナーで足を止めるのは下りが多いです。下りでは重力が利用できるので、減速しにくくなります。つまり、自転車はアクセル・オンじゃなくても曲がれる(ことが多い)のです。

しかし、自転車でも曲がりながら踏むことはもちろんあります。コーナーが緩い場合と減速したくない場合です。前者は、直線を走ってるのと同じで、空気抵抗と路面抵抗を補って踏むわけです。

たかだくんさんが言ってた「コーナーでは曲がりながら踏む」というのはCXでは平坦基調なうえに、路面抵抗が大きいのでそれに負けないように踏んでいるということだと思います。つまり、クルマ・自動二輪のエンジンブレーキに対抗してアクセルオンにするのと結局同じです。自動二輪のように加速することで後輪荷重を作り出すという効果はほとんどないはず。それよりは、ライダーの荷重移動で後輪荷重にするのが自転車だと思います。

実際、番組でこっしーさんが「コーナーでは後輪に荷重して、後輪支点でぐいっと回す」みたいなことをおっしゃってましたが、これは加速度の代わりに(=慣性を利用する代わりに)、ライダー自身の荷重の移動によって、駆動輪の後輪のトラクションを上げつつ、前輪荷重を減らしてハンドルまわりの自由度を上げる、ということだと想像します(違ったら教えて下さい)。

ロードバイクではコーナーで踏むか足を止めるかはケース・バイ・ケースです。路面抵抗は一般に小さいので、コーナーの曲率、バイクのスピード、平坦か下りか、加速させたいのか減速したいのか、によって変わってくると思います。

次回 2) 回した方がグリップしやすい? につづく?

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