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回した方がグリップしやすい?

前回の続きで、#sxsradio ep. 86 のフォローアップです。

Kossyさんが番組の中で言ってた、(正確じゃないですが)「コーナーでは踏んだ方がグリップする(ような気がする)」についてちょっと考えてみました。

グリップする、とは「摩擦が増して、滑りにくくなる」ということですが、バイクを倒しても流れなかったり、後輪が空転しないという状態を指します。

「踏んだほうが」というのは「トルクを掛けた状態」ということですが、そのときにタイヤと地面の摩擦が増えるでしょうか?番組中ではなんとなく、トルク掛けた方が地面を噛む、みたいなニュアンスだったと思いますが(すみません、Ep.86. Zen of CX Cornering (Kossy, Zaikou & Takada)がアップされたので、あとでちゃんと聞き直してみます)、Kossyさんも確信を持っていない感じでした。

で、名手の感覚を物理的に考察するのは野暮というものですがw、このnoteはそういうものなので、昨日、雨の中走りながら考えてたわけです(余談ですが、雨だと走らないロード乗りもいますがいろいろもったいない、と思います)。

結論は

タイヤと地面にとってみれば、乗り手がペダルを踏んでようが、足を止めてようが関係ない

です。身も蓋もないですね(苦笑

グリップ=摩擦、なので、結局は地面と接しているタイヤの間だけで決まります。高校物理で習うように、摩擦力は垂直抗力(接触している面に対して垂直方向の力)に比例しますから、垂直抗力がどう変わるか、というのにライダーの挙動は関係します。つまり、重心位置です。

一方、摩擦力は接触面が動いているときと止まっているときでは違います。それを垂直抗力の係数として、動摩擦係数、静止摩擦係数と言ったりします。その際、重要なのは、接触面の相対的スピードで、そのスピードを生み出しているのが慣性(足を止めている)か、加速度(ペダルを踏んでいる)かには関係ない、わけです。

おそらく、kossyさんが言っているのは、コーナーで踏むために後輪荷重ぎみにしているために、垂直抗力が増して摩擦力が増え、結果ペダルに加えた力が無駄にならずにバイクが進む=コーナーでもスピードが落ちない、ってことなのかなあ、と想像しています。

足を止めてコーナーを曲がると路面抵抗によりスピードは自然と落ちるので、ペダルが地面にヒットしないなら、踏んだほうが有利というのは自然だと思います。しかし、前輪荷重しすぎると後輪が滑って転倒につながるでしょう。

(了)

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