大学院試体験記(東大天文)


イントロ

もう少し自己紹介を書きます。関西の地方大学で物理や天文について学んでいます。

この度、大学院試験を経て東京大学大学院理学研究科天文学専攻に進学することとなりました。ここでは大学院試験の体験を書こうと思います。本体験記を通して大学院(特に外部)進学の参考になれば幸いです。

出願のきっかけ

宇宙が好きで、もっと宇宙のことを知りたいと思っていました。
しかし大学受験では自分の実力不足で第一志望に合格できませんでした。高校の先生にはもう一年勉強することを勧められましたが、家族で相談しそのまま大学に進学することとなりました。同時に大学院でリベンジをすると決めていました。

大学生活

前の記事で大学入学から卒業研究配属までの記録を書きました。要約すると真面目に授業に出て、良い成績を修めようとしました。

外部の院進学するために必要なこと

情報収集
研究室訪問
院試の勉強

この3つが必要不可欠です。
詳しい内容は、他の先輩方の記事も参考にしてください。

情報収集

院試説明会に参加する

気になっていた大学の院試説明会には3年の時から参加しました。一度ホームページを見て、いつ頃に説明会が開催されているか、どんな研究が行われているか、過去問が公開されているかなど確認しましょう。

ホームページを見つける

研究科のホームページや、教授個人のホームページ、講演会のアーカイブ動画など、あらゆるキーワードで検索をかけてみてください。

受験科目や英語の外部試験が必要か確認する

TOEICやTOEFLを事前に受けてスコア提出が求められる場合が多いです。一方、筆記試験当日にTOEFL-ITP(団体受験用)を英語の試験とする場合もあります。変更することもあり得て、例えば物理学専攻は2025年度の入試から外部スコアが必要になったとか。自分が受ける可能性がある専攻はどうなのか調べておきましょう。大学4年生の4月ならギリギリ間に合うかも。

研究室訪問

研究室の様子や、実際の研究について知ることは大事です。特に外部から進学を希望する場合は、希望する研究室に訪問に行きましょう。早くて大学3年の夏から大学4年、遅くても入試説明会か出願前までに行きましょう。

私は大学3年の秋頃から行き始めました。普段の大学の講義や勉強の合間を縫ってタイミングを見つけました。どうにか授業がない曜日を1つ作れたので、その曜日に合わせて日程を調節しました。授業は休まないようになるべく日帰りで、終電に間に合わなければ1泊しました。どうしても受けられなかった授業は友達に頼んで授業ノートを見せてもらいました。(友達に感謝)

出願が始まる大学4年の6月頃まで現地には3研究室、オンラインで4研究室行きました。時間的な制約がありましたが、可能ならもう何個か他大学で行っておけば良かったかなと思っています。

院試の受験日は募集要項が発表されるタイミングや説明会で発表されます。それまでどの大学を出願できるかわかりません。よって複数の大学を見ておくのを勧めます。

研究室訪問の流れ

最初にメールで研究室訪問のお願いをすることになります。勇気を出してメールを送りましょう。その後返信があり次第、日程調整をしていきます。もしメールの返信が来なくても落ち込まないでください。大学の教授は一日に大量のメールが来るので、見逃されてしまうこともあり得ます。
一週間くらい経っても来なかったら再度メールを送ってよいかも知れません。

私は返信が来なかった場合の心のダメージを減らすために、同時に3件アポイントメントメールを送りました。(3件とも2日以内に返信が来ました。) くれぐれも予定をダブルブッキングしないように気をつけましょう。自分の予定管理能力に自信があればやってもいいかもしれません。

事前に質問リストを作っておくとスムーズに聞きたいことが聞けます。参考サイト研究室訪問質問10選

先生によって研究室訪問のスタイルが異なります。先生から最初に研究内容についてスライドやホームページを使って説明してくださる場合もあります。いきなり「何でも質問をどうぞ」で始まることもありました。流れとしては、先生と面談をしてから院生の部屋に案内されて学生とお話する、または先に学生スペースに行って時間になったら教授の部屋に行くのどちらかになります。

学生から研究室の様子や先生について聞くことも大切です。最もやるべきことは、入試問題の解答を入手することです。特に外部から進学しようとしている場合は、情報を得ることが今後院試勉強を進める上で大切になってきます。

勉強

英語の勉強

大学2年生ごろからぼちぼちTOEICの勉強を始め、何度か受験しました。また志望する大学によってはTOEFL-iBTのスコアが必要な場合もあり、念のためこちらも受験しました(高かった…涙)

専門科目の勉強

大学3年生の秋頃から、同じく外部院進学を希望している友達と勉強を始めました。最近の過去問は解答が入手できななかったので、お互いに解いてわからないところは調べて解答をつくりました。教科書を開いて、忘れているところを順番に復習しました。復習↔過去問解くことを繰り返しました。

事前に解く問題を決めて、毎週決まったタイミングで報告しあい、わからない箇所を共有して教えあうことにしました。

大学4年生4月 受験4ヶ月前

研究室に配属され、新しい環境に慣れることが必要です。最短でも1年はお世話になる場所ですのでルールには従います。授業がないので勉強時間が増えるはずでしたが、卒業研究と同時に院試勉強をするのは大変でした。そろそろ英語の外部試験の目処をつけ、専門科目に専念していく頃です。

大学4年生5月~7月 

院試説明会があり、募集要項の発表されてきます。受験日程や出願書類を確認してください。

遠征する場合は、日程が決まった段階でホテルをとっておきましょう。試験会場から近い、または公共交通機関で行きやすいホテルを探しましょう。

専門科目をガンガンに勉強します。ここでどれだけ勉強するかが勝負です。
1週間に1年分のペースでは終わらないことに気づき、1週間3~5年分解くようにしました。
第2志望などの問題も、タイミングを見つけて5年分くらいは解きました。

大学4年生7月~ 受験1ヶ月前

出願手続きはミス無く、余裕をもって出しましょう
これ、めっちゃ大事。
周りに出願の書類を出し忘れかけた人がいました

だんだん本番が近づくにつれてだんだん心が落ち着かなくなってそわそわしてきます。焦らず確実に、弱点を潰していきましょう。同級生には就職が決まったり内部推薦で進学が決まったりしてきますが、誘惑に負けず強い意志を持ちましょう。
外部受験の友を少人数見つけて励まし合いながら、あと1ヶ月と言い聞かせて勉強しました。

過去問を解いた量

第1志望である東大天文の過去問は13年分くらいを解き、そのうち10年弱は複数回解きました。勉強を始めた頃は友達の専攻の分もやっていたので、自分の専攻の分はやや足りなかったかもしれません。

試験本番

筆記

あまり詳しくは書きませんが、解けるはずの問題が解けない、逆に勢いで最後まで解答できた問題もありました。院試は実際どうなるのかわからないのが怖いところです。時間内に解けたらいいので、見た瞬間解けなくて後回しにしてもいいのです。

口述試験

筆記に通って、口述試験に進みました。今回はオンライン(zoom)で行われました。内容は秘密義務があるので書けません。ごめんなさい。
質問に対してちゃんと答えられたら良いと思います。

結果

2つ出願しました。
第1志望である、東大天文に合格しました。
ちなみに第2志望で出願した総研大天文は筆記で落ちました(勉強不足)!??

他にも大阪大宇宙地球、東北大天文、東大広域の出願を検討しましたが、日程の都合や、勉強に手が回らないと判断して出しませんでした。

後日談

総研大天文の筆記で落ちたのがわかってから、東大天文の筆記合格がわかるまでがメンタル的にしんどかったです。
点数開示がないので推測ですが、東大天文の内部生には勝てないので、筆記はギリギリ通過できたと思われます。

最後に

この体験記が、院試を受ける人のお役に立てれば幸いです。プロフィール欄でX(旧Twitter)と連携させています。何か質問がありましたらDM送っていただいても構いません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?