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高校2年 夏①修学旅行は突然に

夏を迎えた。

今年は昨年のように全国大会のスタッフ業務はない。

また観に行きたいものだが、こればかりは仕方ない。

昨年、僕らがボロボロだった大会でトップだった人たちは今年どんな舞台を上映するんだろうか。

来年は僕らがその場に行ってやる。

そんな想いを胸に日々を過ごしていた。

さて、そんな僕らの想いは抱きつつも、学校行事は普通にある。

そしてついに修学旅行となった。

僕らの修学旅行は奈良、京都、大阪、兵庫。

班編成は仲の良いメンバーで組むことが出来た。

うちの高校は剣道部の顧問が元日本代表だかなんだかで、剣道部自体が鬼のように強いことで有名だったのだが

その剣道部1のイケメンごっち

剣道部のオシャレ優男のクサカ

美術部でクラスの女子から圧倒的な支持を受ける癒し系のかわいいミノやん

野球部の超天然メンズ、ディズニー。

そして俺。

マジメンバーサイコー。

シュウガクリョコウサイコー。


サイコーすぎる仲良しメンバーで修学旅行に行けるのがめちゃくちゃ嬉しかった。

初日は奈良。

奈良公園で鹿せんべいはあげちゃダメと言われてるのに、俺らに騙されたディズニーが鹿せんべいを持って鹿の群れに向かって歩かされて

めちゃくちゃに襲われているのを全員で爆笑したり

京都でたまたま入った小さなビルの一角に出ていた段ボールアーティストの作品を沢山買い込んで大喜びしたり

太秦の映画村で江戸時代の人にコスプレして写真撮ったり

ごっちがストリート系のファッションを買って喜んでる横で、T.M.REVOLUTIONのホットリミットみたいな紐で出来た服を買って喜んでいる俺がいたり

深夜に女子の部屋行こうぜと盛り上がって遊びに行こうとドアを開けたら、剣道部の鬼顧問がドアの前で待ってたり

当時都会にしかなかったカラオケCDメイカー(プリクラみたいな機械に入って歌うとCDにしてくれる機械)を見つけたクラスのムードメーカーフミヲが、19の"あの紙ヒコーキくもり空わって"でCD作ってみたんだけど、それがめちゃくちゃ下手で大爆笑したり

兵庫の中華街で入った食べ放題の店が思った以上においしくて爆食いしすぎて午後から全員死亡したり、

とにかくなにからなにまで楽しかった。

あっという間に修学旅行は終了。




そしてこの頃から普通の授業は終わり、来年の受験対策授業に切り替わりはじめて、志望校別に授業が選択制になっていった。

それに伴って僕らは否が応でも志望校を決めねばならず、将来のことを考え始める。

どうしよう。

今は演劇のこと以外なんも頭に浮かばない。

父親は、地元の国立大学か、都会の大学をやたら推していた。

ただ、なんとなくイメージが湧かなかった僕は

演劇とか、ダンスとか、そういった表現の学べる大学はどんなところがあるんだと調べ始めるようになった。


そして、お昼の時間になるとフミヲが歌う"あの紙ヒコーキくもり空わって"がいつからか昼の放送のオープニングソングになっていて、

毎昼に我が校の爆笑をさらっていく日が続くことになった。


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