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大学1年 夏②お別れ

夏休みで地元に帰ってきた。

目的はいろいろあるが、名目上は自動車学校に通うため。

とは言っても、それ以外にやることのない僕は、

早朝からおじいちゃん家で農作業の手伝いをして、朝ごはんを食べてから自動車学校に行く。

という生活を送っていた。

彼女のアリはまだ高校生で、しかも同じ県内とは言え電車で1時間はかかるような場所だったのでそんなにこまめに会える感じでもなかった。

でも、会わなければならない。

今のままでは良くない。

ずっとすれ違いの生活。

なんとかしなければという気持ちがとても強かった。

とりあえず久々に映画でも観に行こうかという話になって

モンスターズ・インクを観に行くことになった。

久々に会った彼女は、やっぱりかわいかった。

その日、たまたまアリと同級生で汚ギャルのもんちゃんも来ていた。

もんちゃんは今日もパンツが見えそうだった笑

駅の長いエスカレーターにもんちゃんが乗る。

アリが「パンツ見えちゃうから気をつけなよー!」と声をかける。

パンツが見えないかを僕とアリでチェックする。

意味不明なチェック。

あ、ちなみに見えなかったんですけどね。おぱんちゅ様。


お茶したりややあってもんちゃんが先に帰って、僕はアリと2人で映画館に行く。

映画館で席を立つことなんてまずない僕だけど、その日は途中2度もトイレに行った。

なんの緊張だろう。

でも、お互いにこのままではよくないことを痛いほど感じていた。

地元を一望できる高いビルの上から景色を堪能しつつ、これからのことについて話す。

会うと改めて思う。

アリのことは好きだ。

でも、どう考えてもこれから4年間もの間、離れ離れでもこの気持ちを維持することが難しいとも思っていた。

地元に残るアリを北海道まで連れていくのか?

俺のためだけに?

それはどうしても嫌だった。

アリにどうしたい?と聞く。

「わからない。」

そりゃそうだ。高校生に将来の選択を迫ることが間違えてる。

俺は俺の都合で遠い北海道に行って、しかも悠々自的に大学生活を満喫してる。

アリがわざわざ北海道に来る理由といったら、俺に会うこと以外なんにもない。

俺以外、何の縁もない街で生きていくのはめちゃくちゃしんどいだろう。

もし、もしもだけれども

「それでも一緒にいたいから北海道に行く」

と言われていたら、きっと別の道があったと思う。


でも「わからない」の連続に、僕はこれからの結末を噛み締めるように悟った。


アリはついて来いといって欲しかったんだと思う。

でも、僕にはそこまでの男気はなかった。

ただのヘタレだったんだ。

そりゃそうだ。まだ学生で親の仕送りで食わしてもらってる身分で、人の人生を抱えようだなんてあまりに現実離れしてる。

でも、アリの口から決意を聞きたかった。

出てきた言葉は「わからない」だけだった。


展望台から見える景色はずっと綺麗だった。

2人並んで綺麗な街並みを眺めながら

僕はアリにサヨナラを告げた。


きっと卒業まで待って、そこで同じことを聞いたらまた違った答えが聞けたかもしれない。

4年間待ってもらって、僕の卒業で地元に戻って一緒に暮らすという選択肢もあったと思う。

でも、様々なものに追われて日々を生きている僕にとっての一日はあまりにやること満載であっという間で、

なのにただ待つ4年間というのは途方もなく長いものに感じられた。


結局こうなんだ。

僕も最初の元カノと同じことをしてしまった。

罪悪感に押しつぶされそうになりながら、帰路に着いた。

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