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大学1年 秋②顔相とハゲの関係性を真面目に考えた日

学祭も終わってようやくいろいろ落ち着き出した

大学の陽キャの親玉Jさんとは相変わらず仲良くしょっちゅう飲んでたし

歳上美人のちーさんともたまにデートに行くようになった。

ダンスは変わらず続けていて、少しずつクラブイベントにも呼ばれるようになってきた。

なんていうか、今はとても充実しててめちゃくちゃ輝いてる感じがした。


だが、ひとつ困ったことがある。

お金がない。

ありがたいことに仕送りを親からいただいたいだけど、ギリギリの生活を毎月送っていたので、なにかしようにも厳しい。

そうこうしていたら、仲良しのオシャレイケメンあべんから一緒にバイトしない?と声をかけてもらった。

あべんは一浪で入学してきた、小柄なオシャレさん。

一年生だけど、年齢が一緒だからという理由で二年生にも基本タメ語で話すから、ゴリゴリの体育会系な僕はまれに扱いに困るけど、めちゃくちゃいいヤツだった。

彼は大学の近くのレストランでホールをしていて、キッチンが足りないから誰かいないかと店長から相談されたのだそう。

ちょうどバイトを探していたし、話聞きに行ってみようかな。

そう思ってあべんに快く返事をしたら、まさかのそのままバイト先に連れて行かれて面接が始まった。

レストランの店長さんは、Jさんとほぼ毎日一緒にいるFさんに見た目も髪型もめちゃくちゃ似ていた。

Fさんは大学生とは思えないほど生え際がかなりキていたが、店長も20代後半ながらそこそこキていた。そしてソレを見ながら面接の最中は

"あれ?あれ?話聞くだけじゃないの?ていうか、この顔はハゲやすいんかなぁ"

という意味わからん状況への混乱と、顔相とハゲの関連性に対する考察をずっとしていた。

そんな僕の不安と葛藤は存在ごとフルシカトされて、その場で採用決定。

数日後からすぐ働くことになった。

あっちゅー間、とはまさにこのこと。

あっさりバイトが決まった。

家庭教師はあんまりアルバイトって感じがしなかったから、ようやっとアルバイトらしいアルバイトをスタートして"大学生だなぁ"を実感していた。

初めてのバイトらしいバイト。

スタッフはほぼ同年代で和気藹々としていた。

初めてのお仕事は皿洗い。

厨房スタッフが食器洗浄機の使い方から丁寧に教えてくれた。

どうも、成長順に

皿洗い→サイドメニュー→メインメニュー→盛り付け

が、このお店のヒエラルキーらしい。

ちなみに店長から"今日サイドメニューやってるちょっとイカつめなお局さんはキレやすいから気をつけて"とアドバイスを受ける。

不安材料投げ渡すのはやめてくれw

黙々と洗い物をしていると、ホールに入っていたあべんが声をかけてくれた。

"喉渇いたらホールの人に言ってねー!好きなジュース持ってくるから!"

おお、なんてありがたいんだ!

飲食バイトを経験したことある人にしかわからないと思うけど、洗い場は洗浄機が高温で洗浄するからめちゃくちゃ暑い。

あまりに暑くて、僕は洗ったコップに水を注いで飲んでいた。

汗だくの僕に気づいて氷入りのジュースを持ってきてくれたあべん、マジでできるおとこや!


アルバイトを終える。

あべんと同じ時間に上がりで、着替えてからあべんのもってきてくれた冷たいメロンソーダを飲みながら初日どうだった?の話になる。

まぁまぁ楽しくやれた。

手がふやふやになるのが残念だけど、まぁ仕方ない。

するとあべんが

"あ、ちなみに厨房の盛り付け担当の人はうちの大学の先輩だよ。バイトしすぎて2年生を3回目らしいけどw"

という衝撃の事実を暴露。


絶対バイトにハマらないようにしよう。


僕は心に誓った。


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