夢か幻か
昔の記憶が、実際に起きたものなのか、夢で見たものなのか、わからなくなることがある。
小学校低学年の頃、クラスにいたあきらくんという男の子によくちょっかいをかけられていた。
今時のいわゆる「いじめ」ではなく、「ちょっかい」というのがミソで、小突かれたり、叩かれたり、いちゃもんをつけてきたり、今思えば可愛らしいものだった。
問題の記憶(と思われるもの)は、あきらくんに髪の毛を引っ張られた時のこと。
私は彼の行動に対して、「髪は女の命なんだから!」と言って手を離させたのだ。
こんなフィクションみたいなことが、実際に起こり得るだろうか。
しかも、小学校2年生くらいの記憶だ。
私は小学校4年生で転校してしまったため、あきらくんとは連絡を取る手段もない。
後々聞いた話では、あきらくんの妹と私の名前が同じだったようで、それでちょっかいをかけていたらしい。
当時の私は嫌な気持ちになったこともあっただろうけど、あきらくんにちょっかいをかけられた経験を経て、私はかなり負けん気の強い性格になったと思われる。
今ではこの性格で、会社でも働きやすいキャラクターポジションになっているため、結果的には良い経験だったのかもしれない。
髪の毛事件が夢でも現実でも、ちょっかいをかけられていたのは事実だ。
しかし不思議なのは、どんな風にちょっかいをかけられたか具体的に覚えているエピソードがこの髪の毛事件しかないのだ。
夢か幻か、真相は闇の中である。
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