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イラストレーターaskichiが出来上がるまでのお話②

『おばあちゃん』

私を語る上で、なくてはならない存在。
それはふたりのおばあちゃん。

ひとりは、お父さん方のおばあちゃん。
ひとりは、お母さん方のおばあちゃん。
何もかも正反対なおばあちゃんでした。

まずはお父さん方のおばあちゃんのお話。

パンチパーマで、たまに紫の髪の色。
眉毛はない。
タバコをふかし、割烹着を着て、お買い物の時にはガラガラとお買い物カートを手で引いていく。
かなりファンキーなおばあちゃん。
私が9歳まで、横須賀の海のすぐそばの借家で一緒に暮らしていた。
私はこのおばあちゃんが大好きだった。

このおばあちゃん、料理はとってもうまかった。
コロッケ、餃子はタネから作る。
とってもおいしい。
ただカレーだけは、私の大嫌いだった椎茸を入れる…アバンギャルドなカレー…

おばあちゃんは、朝から晩まで働くお母さんの代わりにずーっと一緒に過ごしてくれた。
おばあちゃんと私と弟。
どこに行くにも一緒。

たまに衣笠まで歩いて行く。
ランチをするのだ。
薄暗く、水槽のある、豪華なソファが並ぶお店(今思えば、夜はきっといかがわしいお店なんだろう…)で、よく私にナポリタンを食べさせてくれた。
私はいまだにナポリタンが大好きだ。
そして、デザートにプリンアラモードなるものを頼んでくれる。
私は"お姫様の食べ物"だと本気で思っていた。
おばあちゃんはタバコをふかしながら、私と弟が食べるのを横で見ていた。

午後はうちで大体テレビを一緒に見る。
時代劇にドラマ、色々みた。
昔の時代劇は、『アーレー!』と帯をくるくるお殿様?に解かれるようなものがあり、それをおばあちゃんと弟と3人で寄り添ってみる。
今なら、きっとイエローカードを教育者が突きつけそうなものが多かったのだろうな。
いや、子供の前でタバコをスパスパ吸うこと自体、今はレッドカードかもしれない。

でも、おばあちゃんは私たちを愛してくれた。
私も弟も、おばあちゃんが大好きだった。



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