カレーライス

減量中に選手が無性に食べたくなるもの。
ラーメン、肉、そして、その人なりのもう一品。
もしくは、ラーメン、生魚、そして、その人なりのもう一品。
それが37年訊いてきた答えです。

3つめのその人なりのもう一品が知りたくて、沢山の人と
食べ物の話をしてきました。
なんなら選手ではない方にも。
その際、訝しげな表情を見せられるのですが、でも、理解してくれたら
盛り上がるし、そうでない場合はあしらわれることも度度です。

幾度も記していますが、とても人見知りです。
喋らなくてよいのなら一言も喋らないでいます。
でも、そんな自分を直したくて人と話す為に自分から質問を
用意するようになります。
訊ねてしまえば話題に困らないと思ったのです。
そして、食べ物のことなら誰しも興味があって、話に花が咲くと
思ったのです。

残念ながら食べるということに一切頓着しないという方も
中にはいます。
この人生で片手で数え切れる程度でしょうか。
敗北感に苛まれながら反省するのですが、しかし、これ以上打つ手を
僕は持ち合わせていません。
ええ、沈黙がそこから始まるのです。
僕の心はそこから沈殿していきます。



日本人が大好きなもの、カレーライス。

幼少期、誰しもの舌に旨さのハードルを設けます。
その舌のハードルは、さらなる旨さを覚える度に、徐徐に
上がっていくのですが、中中平均点が高く、なので、
そこに気付ない食べ物でもあります。

嫌いだという人に遭遇しないもの、カレーライス。

嫌いだという人に遭遇うしたことがないことがちょっとした
自慢だったのに、いつだったかお目にかかったことがあります。
結構吃驚です。

平均点が高く、だけど、不味くて食べられない
というそれに遭遇しないもの、カレーライス。

不味いそれもドローです。
不味くて食べられたものでないカレーラスを食べたことが
ありません。
平均点、その語彙もよく使うのですが、その平均点が高いもので
真っ先に思い浮かぶのがカレーライスです。
立ち食いそばでも、ファミレスでも、牛丼屋でも、
弁当やレトルトでも満足すぎる平均点です。
赤点40点なのに80点取ってしまうありがたいメニューです。


ライスカレー、昭和なモダンな呼称が再度流行りかけた
ことがあってもカレーライス。

僕らの年代、水の入ったコップにスプーンを入れて、それを
かき回す所作を真似して、誰しも親に怒られた思い出があるかと
思います。
片手鍋でインスタントラーメンを食べるそれとドローです。
その際、箸を鉛筆を代用して行うそれもドローです。
他所様の家でそれをやって怒られるそれとはドローでは
ありません。


「どこのカレーが旨い?」
そんな質疑応答に、
「母親の。」
母親の作ったそれが一番旨かったりするカレーライス。

その母が作った3日目が旨いカレーライス。
寸胴一杯作ってくれたカレーライス。
5日目くらいでカレーうどんになるカレーライス。

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これがなんのことやらか、ようやく 理解しました。 どうもです。 頑張ってホームラン打とうと 思います。