穴

眼を瞑ります。

真っ暗な視界の目の前に、さらに真っ暗な
穴があります。

暗闇から目を凝らすと、穴の向こうが気になります。
洞窟のようなトンネルのような、でも、人間が
作ったそれとは違う、歪な穴がずっと向こうまで
続いている。
しかし、先が確認できない。
どこまで続いているのだろう。
入りたい。
無性に入りたい衝動に駆られる。
行き着いた向こうが見たい。

凄く不思議な世界が目の前に広がっている。

幻想的な絵画の世界にいるかの様な口では表現しにくい
世界がそこにある。
どうやって伝えたらよいのだろう。
この世のものにはない為、例えようがないのだけど、
不思議な物、生き物や建物が視界に広がっている。
もっとよく見て、確認したい。
見たそれを紙に描き留めるしか手立てが思いつかない。

とても綺麗な景色が目の前に広がっている。

言葉には出来ない見たことのない綺麗な世界がそこにある。
不思議な綺麗さなのだけど、でも、凝視して確認したい。
まざまざと見せつけられて、それを肉眼で、そして心一杯に
感じて記憶したい。