宝物

お母さんの手を握って僕のジムを訪れたのはもう、
何年前になるでしょうか。

それが、彼との最初の出会いでした。


毎回、都内から電車に乗ってお母さんに連れられてきます。


中中心を掴めなかったのは、彼がハーフだったということも
あったと思います。
大人しい子でした。
我慢強い子でした。
小学1年生だったと思います。
そのうち、弟も連れて兄弟で通う様になりました。
小学生2人が電車に乗って都内から来るのです。


時を経て、辞めてしまうのは仕方のないことですし、
分かっています。
キックボクシングには今も、それほどの夢がありません。
大人が子供に夢を押し付けていても、いつかは気づいて辞めて
しまうのです。
それが現実です。

サッカーや野球とは違います。
残念な大人も数多く見てきました。
名古屋の僕を騙した同業者なんて、HPで作った夢を
何も
知らない側に述べているのを見たことがあります。
実に虫がいい。


有名にもなれない、収入も高が知れている、それが現実です。
いいのです、作らないで正直なそれで。
元元、それでも頑張りたい人間が頑張る競技です。

ありもしない大袈裟な夢を語る奴ほど嘘臭い。


たまに、SNSなどで僕に絡んできました。
「アーシー」
子供の頃同様に彼は僕をそう呼びます。


場所を変えてもまだやっていてくれていることに嬉しさを
感じました。
どこでなんてどうでもいいのです。
会長は僕のとことを嫌っているでしょうが、そういうことを
分かって慕ってくれています。


「エレデネはアーシーにとっても宝物だからね。輝いてこい。」

そんな返事をしました。

名前の由来を覚えていてくれてと感謝の返事がきましたが、
頑張った子を忘れる訳がないではないですか。
エレデネは彼の父の祖国モンゴル語で「宝物」という
意味です。

宝物は宝物らしく、頑張って輝けばよいのです。


24日のムエタイオープンで元教え子のエレデネが試合します。

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特にお得なことはないかもですが、でも、僕が 思うこと、感じたことなどを日日綴ります。

100戦してこれまでの減量や試合にまつわる客席からは 感じることのできないことなどを 綴れたらなと思います。 なんの参考にはならないけれ…

これがなんのことやらか、ようやく 理解しました。 どうもです。 頑張ってホームラン打とうと 思います。