落語
世の中は常に旬で回っていて、何某かにつけてそれは
当てはまると思います。
食べ物であったりファッションであったり、芸能人であったり
なんなら色であったり。
例え、それが恰好いいものではないにしても、自らの疑問より
先に乗ることをどなたも優先します。
それが美味しいと思わなくても、それが楽しいと思わなくても。
例え恰好いいと思わなくても、仮に可愛いと思わなくても
どなたも口を揃えて称賛するのです。
「サッカーをやっている人、足が短いから嫌だ。」
Jリーグが出来る全然前、女性らは口を揃えました。
世間の女性らの判断基準、旬ではないし華やかではないから、
でも、それを正直に口にしてしまうと自分が軽軽しくなるから
本音は口にしません。
いざサッカーが華やかな競技になろうものなら群がって
群がって、ありがたがって、なんだってそんな程度です。
数年前、ローライズジーンズというものが流行りました。
かなりベルトラインを低い位置に作ったパンツです。
細く背の高い女性には似合うファッションだったと思います。
丸い方には合わないと思います。
でも、それを履けば満足なのです。
結果、半尻出した女性らが巷で蔓延りました。
恥ずかしい過去を積極的に作るそれを見て思います。
男性も同様に。
30年ほど前、太っていようが、チビだろうが足が短かろうが、
ライダース着て、ベルボトム履いてその気になって徘徊して
いました。
髪の毛は肩まで伸ばして、なりきれていないなりきり合戦が
各地で開催されていた過去があります。
ブーム、一言で発してしまえばそうなのでしょうが、見方に
よって滑稽に思います。
自分も他の方らから見たら滑稽な何某かのブームに乗っかって
恰好悪いことをしているのかもしれません。
自分で自分は見えないので分かりませんが、自分が
まともだとも思ってはいないことを付け足しておきます。
各部門、毎年ブーム会議なるものがあるのではないか、
そんなことを十代の頃から勘繰っています。
切っ掛けはティラミスです。
1988年、僕は16歳でした。
再入学した定時制高校をとっくに中退し、大検も失敗しました。
フライ級での試合後、苦しくて仕方なかった減量を終えて
食べたかったものを食べていました。
炊飯器に米さえあればそれで腹一杯にする方法を考えていたし、
ポケットの中に小銭があればそれで腹を満たす方法を考えていました。
そんな中、ティラミスなる耳慣れない横文字を耳にします。
16歳の世間知らずの餓鬼です。
今は同、世間知らずの51歳です。
ファストフードでそれを知ったのですが、その程度の店か、外食など
立ち食い蕎麦などしか足を運ぶことはなかったので他での
それを知りませんでした。
「なんでも真新しいそれに食いつくと思うなよ。」
真新しいものにそんな反抗的な考えで気構えていました。
「プリンのパクリじゃねぇか。」
濡れ衣を着せたりもして、自らの無知を棚に上げて毒突いた
ものです。
お恥ずかしい。
それを切っ掛けに様様な分野でそう思うようになっていきます。
前述したファッションであったり、色であったり、飲み物であったり。
色会議なる催しを想像します。
全世界が注目する色会議、なので、人目をはばかる場所で開催されます。
場所は、知る人ぞ知る船橋競馬場駅にある居酒屋です。
「さて、会議を始めます。」
各各がグラスを、ジョッキを手に取り挨拶から乾杯します。
会議という会議ではありません。
ごく自然な会話から本物の流行は生み出される、そう考える
議長立嶋篤史の考えからその様な会議になります。
「来年の流行りの色はどうしよう。」
旨いと思ってもいない酒に口をつけて、会議は進みます。
「群青色でいいんじゃないかな。」
タレで注文したレバーを摘みながら立嶋篤史は云います。
「賛成。」
異論なく議会は終了して、駅に向かいます。
1分経たずして到着し、ホームで電車を待ち、船橋に向かいます。
またある時は酒会議が催されます。
酒だけに居酒屋で、というわけではなく、秘密裏にキックボクシングジムにで催されます。
年の瀬に船橋競馬場駅から徒歩5分のASSHI−PROJECTで
夕方に始まります。
「さて、来年の酒のブームを決めましょう。」
議長は会長券選手、立嶋篤史です。
「おいら、呑めなくはない。呑めるけど、酒を美味しいと思ったこと
ないのだよね。」
「子供の頃からさ、酔っ払った気分を旨いと云っているだけで
味そのものを旨いと思って云っているわけではないとずっと思って
きたし、今もそう思ってるんだよね。」
酎ハイなんて、とりあえず味を替えて種類を増やせばいい程度の
ものだと思っていますし、ハイボールもなんならビールですらそう
思っています。
でも、旨いと感じるという方と遭遇することが出来てから
その考え方を変えます。
「云われてみれば、自分もそう思います。」
その前までは僕同様の考え方の方と遭遇することの方が多かった
のです。
「おいら、酒のハードルが舌にないのだよね。」
そんな話をよくします。
一度でも旨いと思うことが出来たら舌にハードルが出来るものだと
思っています。
僕にはそれがないのです。
なので、酒を求めたこともありません。
十代の頃から「ブーム会議」そんな妄想をしてきました。
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キックボクサーな日常と、立嶋な日常
100戦してこれまでの減量や試合にまつわる客席からは 感じることのできないことなどを 綴れたらなと思います。 なんの参考にはならないけれ…
これがなんのことやらか、ようやく 理解しました。 どうもです。 頑張ってホームラン打とうと 思います。