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FRBの大幅利下げで米国株市場の潮目が変わる?投資スタンスを切り替えます。

日本時間本日(9/19)未明にFOMCの政策金利発表とパウエル議長の会見が行われました。

この記事でもまとめているように0.50%の利下げが決定されました。

FOMCの声明では
・インフレ率はまだ高い水準にあるが、インフレ率が持続的に2%へ向かっていることに自信を持っている。
・労働市場の減速のリスクとインフレのリスクは拮抗していると認識。
・これの状況を受けて、(労働市場の過度の減速のリスクをコントロールするる目的で)0.5%の利下げを決定した。
・経済活動は引き続き堅調で、労働市場も減速はしているが失業率は低い水準を保っている。
・引き続きインフレの状況などにも注意を払いながらリスクのバランスを見極めながら政策金利を調整していく。

ことが示されています。

この声明からも分かるようにFRBは堅調な経済活動を維持したままインフレをコントロールする”ソフトランディング"に向けて今回の0.50%の利下げを行たことを示しています。

先週のはじまりの時点では、市場では今回の9月FOMCでの0.25%利下げ見通しが優勢でした。

この状況のまま0.50%の利下げを強行した場合には、たとえソフトランディングを目指した利下げであっても市場は景気後退を過剰に警戒してしまうリスクがありました。

そこで、先週金曜(9/13)にWSJのFED watcherであるNick Timiraos記者からFRB内部で0.50%の大幅利下げが主張されているというリーク記事が出されました。

FRB高官の0.50%利下げを示唆するような発言もあり、この日から9月FOMCでの0.50%利下げ見通しが急速に高まり、週末にはほぼ五分五分、FOMC前には0.50%利下げが優勢になりました。

この根回し(市場との対話)があったため、今回の9月FOMCでの0.50%利下げがそれほど大きな混乱を起こすことはありませんでした。
(もちろん私を含め0.25%だろうと考えていた人も多かったと思いますが、市場が過剰な反応を起こす、という意味でのサプライズにはなりませんでした。)

このように振り返るとパウエル議長が細かい市場とのコミュニケーションによって、この難しい局面での0.50%利下げを成功させ、ソフトランディングに向けて大きな一歩を踏み出したことが良く理解できます。

素晴らしい采配だったと言えるでしょう。

ただし、パウエル議長の会見までにS&P500は上昇していましたが、会見で(声明でも述べられていますが)このまま急速な利下げを続けるとは決まっていないとしたことから、株式市場の上昇は打ち消されました。

ただしこの反応は単純に利下げに反応して上昇した株価が戻ったという反射的なものだと考えられます。

しかし、現在プレマーケットではS&P500、NASDAQともに力強く上昇しています。この上げは今回のイベント通過後の真のテーマに支えられたものだと考えています。

今回の9月FOMCでは米国株市場の雰囲気がガラッと変わると考えられますが、その元になるテーマは利下げではなくソフトランディングです

この根拠を示しつつ、今夜から潮目が変わる可能性のある米国株市場での投資戦略を考えていきたいと思います。

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