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金価格が2500ドルを突破! 構造的な上昇要因と投資戦略

2024年に入ってから金価格は着実に上昇し、ついに2500ドルを突破しました。

私はオワコン扱いされかねない純金積み立てを社会人になってから少額ですが、毎月継続してきました。(ただ解約が面倒だっただけ。)

その純金積み立てですが、最近評価額を確認したところ、金価格の高騰を受けて+126%の利益を生んでいました。(平均買い付け1123ドル)


このことからも金価格上昇の勢いが分かりますね。

金(ゴールド)高騰の背景には、世界経済の不確実性や地政学的リスク、さらにFRBの金融政策に対する市場の期待が大きく影響しています。

特に8月23日のジャクソンホール会議でパウエルFRB議長講演で、9月の利下げが示唆されたことも今後の金価格には追い風となると考えられます。

この記事では、金価格の最近の動きと、それを支える主な要因について詳しく解説し、後半部分ではこれを踏まえた投資戦略をご紹介します。


2024年の金価格の動き

2024年の金価格は、年初の約2,063ドルから8月には2500ドルを突破し、年初来で21%の上昇を記録しました。

2024年の金価格(米ドル建て)の推移

この間、米国の政策金利は5.25-5.50%と高い水準で維持されていました。
一般的には配当などがつかない金(ゴールド)にとっては高金利環境は逆風となりやすいです。

しかし、次の項で紹介するような要因で、高金利下においても金価格は上昇しています。

過去にも高金利下に金価格が上昇した場面はありました。

このような構造的な上昇要因がある状況下で9月FOMCでFRBが利下げに踏み切れば、実質金利が低下し、金への投資環境がさらに好転すると考えられます。

金価格上昇の要因

①中央銀行による大量の金購入

新興国を中心とした中央銀行が、外貨準備の分散化を目的として大量の金を購入しており、これが金価格の底堅さを支えています。

特にロシアのウクライナ侵攻後、ロシアへの経済制裁(外貨準備高の凍結)を目の当たりにした各国中央銀行は経済制裁のリスクを認識しています。

基軸通貨(特に米ドルやユーロ)への依存が過度に高いと、経済制裁に対して脆弱であることがロシアへの制裁で明らかになりました。

このため、経済制裁リスクを回避するために、中央銀行は外貨準備の一部を金にシフトしています。

②中国での旺盛な金需要

中国では文化的・経済的要因から、金への需要が依然として高く、特に宝飾品や金貨に対する需要が旺盛です。

2023年には上海金のプレミアムが高騰し、中国国内での金への旺盛な需要を示しています。

*上海金のプレミアムとは、国際市場での金価格に対する中国国内の金価格の上乗せ分を指します。

2023年には、上海市場での金価格が国際市場の価格を上回る状態が続き、中国人投資家や消費者による金購入が活発化しました。

③地政学的リスクの高まり

ロシア・ウクライナ戦争、中東紛争そして米中対立といった地政学的リスクが、安全資産としての金の需要をさらに押し上げています。

特に米国大統領選挙を含む政治的イベントが、市場の不安定さを強め、金価格を支えている側面があります。

④FRBの利下げ見通し

8月23日のジャクソンホール会議で、パウエルFRB議長が9月の利下げを示唆しました。

このことは、今後の金市場にも一定の影響を与えると考えられます。

配当を生まない金(ゴールド)にとっては金利低下は価格上昇の追い風となります。

実質金利の低下により、金への投資が一層魅力的になり、さらなる価格上昇が期待されます。


金価格上昇を受けての投資戦略

ジャクソンホール会議でのパウエル議長の9月利下げ示唆もあり、米国株市場も極端に悪い相場になる感じはありません。

ただし、米国株市場は8月上旬の下落から急速に反発してきており、私は年末までは株価は上という認識であるものの上昇ペースは緩やかになると考えています。

そこでポートフォリオに金価格上昇をトレードするポジションを追加してみようと考えています。

では実際にどのようなポジションを取っていくのが妥当でしょうか?
さっそく見ていきましょう。

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