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米大統領選に向けて株価はどうなる?

スーパーチューズデーを終え、現職の民主党バイデン大統領と共和党トランプ候補が再び米国大統領の座をめぐって対決することが確実となりました。

CBS news:https://www.cbsnews.com/news/poll-trump-biden-georgia-2024-cbs-news/

バイデン大統領とトランプ候補の直接対決の場合にどちらに投票するかとのジョージア州での世論調査では、トランプ候補が51%と、バイデン大統領の48%をわずかに上回っています。

しかし、選挙介入問題での裁判を争っているトランプ候補には有罪になった場合に大統領候補として資格が疑問視されるリスクや高額な裁判費用による選挙資金面での不安などがあり、2024年の米国大統領選の結末がどうなるかはまだ不透明です。

今回は1944年から2020年までの米国大統領選年における米国株市場の動きを振り返って、今後の米国株市場について考えてみたいと思います。

現職大統領が出馬した年のS&P500パフォーマンス

さらに2024年では現職のバイデン大統領が出馬することから、現職大統領が出馬した場合のパフォーマンスを確認しましょう。
1944年から2020年までの20回の大統領選のうち、現職大統領が出馬したのは以下の12回です。

1944年: フランクリン・ルーズベルト(民主党)-再選成功
1956年: ドワイト・D・アイゼンハワー(共和党) - 再選成功
1964年: リンドン・B・ジョンソン(民主党) - 再選成功
1972年: リチャード・ニクソン(共和党) - 再選成功
1976年: ジェラルド・フォード(共和党) - 再選失敗
1980年: ジミー・カーター(民主党) - 再選失敗
1984年: ロナルド・レーガン(共和党) - 再選成功
1992年: ジョージ・H・W・ブッシュ(共和党) - 再選失敗
1996年: ビル・クリントン(民主党) - 再選成功
2004年: ジョージ・W・ブッシュ(共和党) - 再選成功
2012年: バラク・オバマ(民主党) - 再選成功
2020年: ドナルド・トランプ(共和党) - 再選失敗

このうち現職大統領が再選に成功したのが8回、再選に失敗したのが4回となります。

①現職大統領が出馬した場合のS&P500年次パフォーマンス
現職大統領が出馬した場合の平均年次パフォーマンスは+12.9%となります。
これは1944年から2020年の大統領選年全体での平均年間パフォーマンスである+7.2%を上回り、すべての年の平均年次パフォーマンスである+9.1%をも上回っています。

現職大統領の再選成功・失敗それぞれのシナリオでの通年パフォーマンスは
再選成功シナリオ:+11.1%、再選失敗シナリオ:+16.4%
といずれの場合でもパフォーマンスは良好となっています。

②現職大統領が再選に成功/失敗した場合のS&P500パフォーマンス
以下のグラフは現職大統領の再選成功(青)/失敗(赤)のそれぞれのシナリオの場合にS&P500の月次パフォーマンスがどうであったかを示しています。

再選成功・失敗それぞれの場合のSP500の月次リターン

ここで注目すべきは再選失敗シナリオの場合には2月、3月が際立って軟調となっている点です。年初3か月のパフォーマンスが悪い場合には現職大統領の敗北のシナリオを株式市場が示していると考えられます。

一方、4月から7月のS&P500パフォーマンスは再選成功シナリオの方が足踏みしています。むしろ再選失敗シナリオの方が4月から7月のパフォーマンスは良好です。

11月から12月にかけてのパフォーマンスはいずれのシナリオにおいても必ずしも悪くはありません。

③1-3月のS&P500パフォーマンスと大統領選の結果
さらに現職大統領が出馬した年の1-3月のパフォーマンスと大統領選結果の関係を見ていきます。

すでに2024年は1月、2月ともにS&P500は月間騰落率はプラスとなっています。
おなじく現職大統領が出馬した年において1月、2月の月間騰落率が今年と同様にともにプラスであったケース合計5回(1964年、1972年、1996年、2004年、2012年)あり、これらのうち5回つまりすべての年で現職大統領が再選に成功しています

さらにこれらの5年のうち3月のパフォーマンスもプラスだった年が4回(80%)となっています。

*参考までに大統領選の年において1月、2月の月間騰落率のいずれかがマイナスであった7回のうち、現職大統領が再選に成功したのは3回のみです。(再選成功率 43%)

政党交代の有無とS&P500パフォーマンス

次に現職大統領の出馬にはこだわらず、大統領の出身政党が変わる=政党交代の有無と株価の関係を見てみましょう。

1944年から2020年までの20回の大統領選挙において

政党交代ありの年(10回)
平均騰落率: 4.3%
年間で上昇した年: 7回、年間で下落した年: 3回

政党交代なしの年(10回)
平均騰落率: 10.1%
年間で上昇した年: 9回、年間で下落した年: 1回

いずれの場合でも上昇する年の割合は多く、平均騰落率もプラスとなっています。しかし、政党交代があった年ではS&P500のパフォーマンスが劣るようです。

このことが株価が好調な方が現職有利との印象につながり、バイデン大統領からも異例の利下げへの言及が飛び出したのでしょうか。

政党交代の有無と各月の平均騰落率

次にそれぞれのシナリオでの各月の平均騰落率を比較してみましょう。
以下の表では政党交代の有無によるシナリオごとに各月の平均騰落率をまとめました。

現職大統領出馬年でのデータと同様に、政党交代が起こるシナリオでは1月から3月のS&P500は軟調に推移するようです。

政党交代なしのシナリオにおける4月から7月にかけての足踏み感は現職大統領の再選のシナリオと似ていますね。

この平均月次騰落率をもとに年初を100としたS&P500の1年での推移を示したものが下のグラフです。
(赤:政党交代あり、青:政党交代なし)

政党交代の有無と年間のS&P500の推移

グラフで視覚的に確認すると1年間の株価推移がイメージしやすいですね。
政党交代がなかった年(青)ではS&P500は非常に力強い上昇を見せているように見えるものの、4月から7月は踊り場のような感じの株価の停滞があります。

まとめ

過去のデータでは1月、2月ともにS&P500の月間騰落率がプラスの場合には現職大統領が勝利する可能性が非常に高かったです。

また、その場合には年間を通して良好なパフォーマンスは見込めるものの4月から7月にかけては足踏みするような展開になる可能性があることが読みとれました。

さて、今後の3月、そして2024年を通しての米国株式相場はどのように推移していくのでしょうか?

また、2024年は決算を手掛かりにした米国株の個別銘柄投資が有効な相場になると予想されます。
私は米国株個別銘柄投資をこの本で学びました。

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