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米国株アノマリーを深掘りする。

「アノマリー?そんなの信じてて投資に役に立つの?」
読者の皆さんの中にもこのような印象を持っている方がおられるのではないでしょうか?
私自身も昔はそんな一人でした。(笑)

アノマリーは、市場の理論では説明しづらいものの経験的に確認されている株価の動きを指します。私の過去の記事でも米国株市場のアノマリーについてたびたび触れてきました。

今では私は過去のアノマリーを分析することは、現在の市場の動きを理解する上で一定の役割を果たすと信じています。
今回の記事ではアノマリーが米国株式投資にどのように活かせるかについて私の考えをお話してみたいと思います。

アノマリーの基本概念

米国株投資におけるアノマリーは、「大統領選挙サイクル」、「January effect」、「Summer rally」など、一定のパターンに従って株価が変動することを指します。

アノマリーは必ずしも原因を明確に説明できるものではありません。
市場のアノマリーは、様々な理論や仮説に基づいて解釈されることが多いですが、それらが完全に理解されているわけではありません。

アノマリーを引き起こす要因は複数あり、人々の心理や投資家の行動、経済の状態、社会制度など、さまざまな要素が関わっています。

アノマリーをどのように投資に活用する?

ここまではよくあるアノマリーの説明でした。
以降では私自身がこれをどのように考えているかを説明させて下さい。


アノマリーは市場の方向性が不明瞭なときに特に価値があると考えています。
過去のパターンを観察・分析することで、その時点で得られているデータ(株価の動き)から今後の市場動向の予測を立てることができます

重要なのはこの予測はあくまで予測であって、その後に入ってくるデータや経済状況や金融政策などの背景を踏まえてアップデートしていくことです。

予測にこだわるのではなく、その時点でのとりあえずの予測を設定して、それをたたき台に予測をアップデートすることで投資戦略を立てていきます。

予測をしてその通りになればカッコいいのかもしれませんが、利益が出すのが本来の目的であって、予想を当てるのが目的ではありません。
(これは人によって考え方が違うと思いますが、以下でも述べるように私の基本的な思考様式は実際に役に立てば何でもアリという考え方=プラグマティズムです。)

株式市場の先見性

予測が当たらないかもしれないと考えているのに、予測をするという面倒なことをするのでしょうか?

それは株式市場の先見性に認めて尊重しているからです。
株式市場には先見性があり、実際のイベントが起きる前に株価が動いていることがしばしばあります。

この性質に対応するため、まずは株価の動きをありのままに観察し、過去の同様なケースの確認を通じて今後の方向性を考えたい。

このようにして考えた予測に経済の状況や金融政策の方向性なども考慮して修正を加えることで、投資戦略を考えていきます。

わざわざアノマリーを確認する最大の理由は「株式市場の先見性」、これにつきると思います。
このことから、市場の方向性に確信が持てずに迷うような場面ではアノマリーを分析することが特に有用だと考えています。

おまけ:プラグマティズムとは?

プラグマティズムは、理論が正しいかどうかよりも、その理論や方針が実際に実践で役立つかどうかを重視する考え方です。

この考え方は実際に広く用いられていますが、ソフトウェア開発の分野で導入されたアジャイル開発はいい例だと思います。

アジャイル開発は、理論上の完璧さを求めるのではなく、現実の市場と顧客のニーズに迅速に応える「実用的な製品」の開発を目指しています。

初期段階での「必ずしも完璧でない」製品のローンチは、市場から直接フィードバックを得るための手段として用いられ、その後の製品改善と最適化に役立てられます。
理論や予測を超えて、実際の使用経験と顧客からの具体的な反響に基づいて製品を進化させていくアプローチがまさにプラグマティズムを体現しています。

アジャイル開発が常に変化する市場の要求に柔軟に対応し、実際に役立つ製品を提供することに役立つことからも、プラグマティズムと株式投資の相性の良さは納得できるかと思います。

まとめ

米国株投資において、過去のアノマリーを分析して利用することは株式市場の先見性に対応する有効な方法です。

予想や理論の正しさにこだわって実際の株式市場の方向性を見失わないためにもプラグマティズムは役に立つと考えています。
(そもそも「役に立つ」を最重要視するのがプラグマティズムなので。笑)

過去のデータと現在のデータ(株価の動き、経済状況、金融政策など)を組み合わせることで、より実践的で効果的な投資戦略を構築することができます。

”Stock Trader's Almanac”
なくても投資で困ることないですが(笑)、米国株のアノマリーについてまとめた本です。


今後もアノマリーについての分析は定期的に記事にしていきたいと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

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