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2015年6月の記事一覧

第52回フリーワンライ ひとりでいる理由

伸ばした手
偶然、3回続けば必然
#深夜の真剣文字書き60分一本勝負

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僕は、いつからか一人だった。
いや、最初から一人だった。

記憶というものは本当に不思議で、
覚えているはずのことを忘れていたり、
忘れたとばかり思っていたことを覚えていたり――忘れたいと思っていることをずっと覚えていたりする。

だから、君が僕に笑ってくれた時、体の中で何かが音を立てた。

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好みのタイプ

小説お題:僕のこと、好きでしょ?

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自信さえあれば、もっとむねをはって生きていけるのだろう。でも、私にはそんな自信などない。

いつも、自分のしたこと、言ったことを一日の終わりに振り返っては後悔して自己嫌悪に陥る。

寝て忘れられるようなおおざっぱさがあれば、まだ良かったのかもしれない。残念ながら、私はどちらかといえば几帳面すぎて、益々気にしてしまうたちだった。

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