花火しようよ
ふたりで。
と異性に誘われたら、どう思いますか?
ふたりで、と後に付け加えるというところで、わたしはちょっと気があるのかなと思ってしまいますが、娘はまったくもって気がつかない。
いや、気がついているのかもしれないけれども。
同じクラスの仲良しの男の子が誘ってくれたようだけれど、暑いし、蚊に刺されそうだし、夜だし、近くないし、次の日も学校あるし、うーんやめとく〜。と、あっさりとお断り。
これはデートのお誘いでねか!
と言ったら、はははと笑い、そんなんじゃないよと一蹴。そうかい、そうかい、そうなのかい?
がっくり来ている男の子が見えた。
ふだん仲良くしているんだけど、好きなのかそうじゃないのかまだわからない。
ふたりきりで過ごす時間。
夜の手持ち花火。
どおんと上がる派手な打ち上げ花火をふたりで見るのもよいけれど。
手持ちのものは割と派手なやつから火をつけて、勢いにうおおとなったり、煙たいとかきゃあきゃあ騒いだりしたその後の最後の線香花火。
ろうそくも消えそうななか、線香花火の小さな灯火でリレーを試みて、失敗するのはわかってるのに、やっぱり落ちてしまって、ああとふたりで嘆いたり。どちらが長く保つか競争したり。
近づいてふたりで小さくパチパチと弾ける様子をじっと見ているとき。
優しく弾ける火花が映る瞳。
気づかれないように、見つめる一瞬。
そうこうしているうちに残りの暑さも夜風に冷やされつつあるこの頃。
青春の1ページに恋愛の巻が入ってくるのもいろいろとタイミングが合わないとなのだよなあ。
と勝手に切なくなっている夜。
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