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クボタくん


クボタくんはとても明るくて、真面目さがやりとりにも出ていて、いい感じの子だなあと思っていた。
のに、いつのまにか辞めちゃってた。ということを昨日知った。
同じ部署のひとも辞めてから知ったパターンだったようだ。

久々の週末の出勤で、仕事場にいつも来てくれている取引先の営業さんが、帰り間際に「そういえば、〇〇部のクボタくんって辞めちゃったの?最近見ないけど」と言ってくれたおかげで気がついて、あれっそういえばたしかにこのごろ話してないけど、ええ!?とおどろいた。
彼に対して特別思い入れがあったわけではない。
ただ忙しいときにはぞんざいになりがちなスタッフ間どうしのやりとりでも、いつも落ち着いてちゃんと話してくれるとか、ほんのちょっとしたことで救われる瞬間もあって、一緒に働いていて気持ちいいひとだった。

他部署だと毎日顔を合わせる訳ではないし、それぞれ長期休暇を取ってる時季でもあったりすると、ただお休みが重なってなくて、しばらくぶりだねということはしょっちゅうあるのだけど、時にはクボタくんみたいに知らない間にいなくなってしまっているひとがいる。
静かに辞めるひとの理由はいろいろあることも知ってるし、個人的に飲みに行ったこともないし、まあ結局必要なときしか話さなかった仕事上のお付き合いだけど、無理を言ったり言われたり、その流れで冗談言って笑うこともあったり、それも互いの部署の関係性からして当たり前かもしれないけど、それだけだったけど、でもなんか寂しい。

数年経つうちにはお互い顔も名前も忘れてしまうかもしれない。
けど今は、元気かなあ、大丈夫かなあと思う。
クボタくんなら、どこに行ってもきっとやっていける。
無理せず、身体に気をつけて。
がんばって。





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