見出し画像

発達障害人はお昼休憩がつらい?アスパーガールの働き方戦略

休憩時間ってどう過ごせばいいのかあんまりよくわからない。
大人の発達障害人は、こう思う方が多いのではないでしょうか。

うまく休めない発達障害人の私にとって、「お昼休憩」という言葉はあまりしっくりきません。当事者の私にとってその時間は、仕事以上に「乗り越えるべき大きなタスク」であり、自分がぼろを出さないようにするのに必死になる時間でした。

発達障害人がお昼休憩が苦手な理由


苦手な理由は、①注意切り替えの困難②人づきあいに苦労する③空気が読めない、という特性が関係しています。

①注意切り替えの困難

 「休憩時間」になると、定形発達人は、先ほどまで考えていたこと(仕事内容や先の予定など)から、いったん注意を切り替えて、目の前の食事や人との会話、外の景色などを楽しめる。それにより気分がリフレッシュされたような気持ちになります。

 しかし発達障害人は、脳の切り替えがうまくいきません。さっきまで仕事をしていたところから、「ハイ12:00になったから今からお昼ね」と脳を切り替えることが難しく、ずっとさっきまでの仕事のことを考え続けます。なので、なかなか頭がリフレッシュされません。

②人づきあいに苦労する

 加えて、お昼となると、誰かと一緒にご飯を食べる可能性が出てきます。誰かと一緒に食べるお昼の時間は、残念ながら、発達障害人が苦痛に感じるポイントです。
 発達障害人が人嫌い、というわけではありません。おそらく多くの発達障害人は、人と楽しくコミュニケーションをとりたいと思っているでしょう。 私自身、人のことは好きですし、楽しくかかわりたいと思っています。

 しかし、脳の特性上、空気が読めない、他者理解が難しいハンデをもっているため、うまく付き合おうとすると頭をフル回転させなければなりません。話の流れや場の流れを理解するのに人一倍頑張るため、すぐに疲れてしまいます。アスペルガーの私は、人とのコミュニケーションに、定形発達人の10倍以上の神経を使っているのではないかと思います。空気を読むことが重んじられる日本では、そのような発達障害人は多いかもしれません。正直、休憩にはなりづらいですね。

③空気が読めない(読もうとして疲れる)

 お昼休憩にはタスクが与えられません。「自由時間」というものです。会社の人が、おのおの空気を読みながら動くお昼の自由時間は、空気が読めないアスペルガーにとって意味不明で、摩訶不思議なものに感じます。

 周囲に適応して空気を読もうと頑張るタイプのアスペルガーは、「自由時間に周りの人はどう動いているんだろう?」と意識を向けますが、同時に強く混乱します。誰と誰がごはんにいくのか、誰がコンビニで買い食いするのか、誰がどこの席に座ってご飯を食べるのか…。彼らは不規則な行動をとるにも関わらず、彼らの間で何か、見えない意思疎通をして、スムーズな意思決定をしているように見えます。自分にだけわからないテレパシーをしているようです。

 仕事と違い、コミュニケーションに答えはありません。お昼は誰と一緒に行った方がいいのか、いまここで誘いに乗ったほうがいいのか、声をかけたほうがいいのか、お昼ご飯を一緒に食べた方が評価も上がるのかどうか、など、突如現れる数々の選択肢に混乱し、疲弊します。

 「周りの空気を読んで自由に動きなさい」。空気が読めないアスペルガー人にこれほど難しい時間はあるでしょうか。笑

対策について

じゃあどうすればいいのか。対策として3つ紹介します。

①そもそもお昼休憩がない仕事をする。

 労働基準法では、1日の労働時間が6時間を超える場合は45分、8時間を超える場合は1時間の休憩を与えなければならない、と定められています。つまり、1日6時間以内の勤務とすれば、休憩時間なしで働くことが可能です。

 注意の切り替えが苦手な発達障害人の特性は、ずば抜けた集中力や、没頭力として素晴らしい一面があります。実際、6時間ぶっとおしで仕事をした方がパフォーマンスが上がる可能性があります。 

 そして余った時間には、副業をするのがおすすめです。アルバイト掛け持ちでもいいですが、ランサーズやココナラなどで、少しずつ自分のスキルを発揮できる副業を始めましょう。今はAI副業なども流行っていますね。

 会社には「副業や個人事業をしている」などと理由付けして6時間勤務の打診をしましょう。理解ありそうな会社や、自己PRが得意な方の場合は、「休憩なしで6時間中して取り組む方が、メリハリがつき、自分のパフォーマンスが上がりやすい」などと話してもよいと思います。

②リモートワークで一人休憩を取る。

 周囲の人の動きや環境音が気になりにくい、自分の気に入ったスペースで働くことができるリモートワークは、発達障害人に最適な環境と言えます。

 仕事中に集中力が切れたり、気分の波が起きた時にも、ちょっと気分転換に数分散歩、とか、好きな音楽をかけながら、とか、おやつを食べながら、なんてことが可能です。もちろん昼休憩には、自室のベッドで寝ていいのです。

 ポイントは、リモートワークができる仕事は限られているということです。事務なら未経験でもなりやすいですが、可能であれば、デザイン、マーケティング、プログラミングなどのPC専門スキルを身につけておくことがおすすめです。これらのスキルは、収入の高さと心地よい仕事環境を両立することができます。
 社会人向けのスクールも増えているので、ぜひ検討してみてください。

③お昼ご飯を食べない

 究極論ですが、1日2食にすること。そしてそれを公言しておくことです。

 そもそも、お昼ご飯を食べると、その後の血糖値の乱高下によって急激な眠気や、メンタルの乱れがおこります。これは定型発達人にも起こるものですが、発達障害人は糖質依存などを合併している場合も多く、この影響を受けやすい傾向があります。そのほかにも、1日2食には「何を食べるか悩む時間が減る」「内臓の調子が改善される」「パフォーマンスが上がる」などの様々なメリットがあります。私も、2年前から、1日3食をやめ、朝と夜のみの2食にしています。(時々間食はしますが!)

 お昼ご飯をそもそも食べないようにすれば、付き合いに悩むことなく、午後の眠気やだるさも防ぐなど、健康にもいい。一石二鳥です。過ごし方としては、近くの公園をお散歩したり、マインドフルネス瞑想したり、席、休憩スペースなどで寝たりとか、漫画を読んだりとかするのはいかがでしょうか。

 今回は、発達障害人がお昼休憩が苦手な理由と、ちょっとひねった対策方法までお伝えしました。私は当事者なのですが、お昼休憩中は、一人になれるスペースを探して寝ることが多かったです。(その後、昼休憩のない仕事やリモートワークなどを選ぶようになりました。)

 特にグレーゾーン発達障害の方は、仕事よりもお昼休憩に苦労しがちな傾向があります。うまく特性と付き合いながら、自分なりの幸せな生き方を一緒に探していきましょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?