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ようこそ、A-SPECへ#02 | トイレ設計はA-SPECにお任せ

■シリーズ紹介:A-SPEC開発ブログ
パブリックトイレ空間を自動設計するクラウドサービス「A-SPEC」の開発チームブログ。A-SPECって一体どんな人がつくっているの?、どんなことを考えてつくっているの?など、開発者からのお便りをお届けします。
\ 前回記事も併せてどうぞ /
ようこそ、A-SPECへ#01  |  いっしょに考えます、トイレのこと
by LIXIL 小松 紀明



こんにちは。株式会社AMDlabの藤井です。
A-SPECプロジェクトでは、A-SPECの核である自動レイアウト機能のロジック部分を主に担当しております。
 
本稿では、A-SPECとの出会いや、目まぐるしく変化する現代において設計者として新しい技術やサービスに向き合う姿勢などを主にお伝えしたいと思います。
最初に、A-SPECを開発するに至った動機にもつながるところがありますので、簡単に自己紹介から始めさせてください。


自己紹介とA-SPECとの出会い

私は、大学院で建築構造の研究をした後に組織設計事務所で構造設計業務を行っていました。設計実務を経験し、設計の面白さや奥深さを感じると同時に非合理性や非効率性にも気付き、テクノロジーで設計を変えてやろうという想いで、AMDlabという建築テックの会社を立ち上げました。
 
その創業初期にA-SPECに出会いました。
 
A-SPECプロジェクト自体が挑戦的であり、面白そうだったことに加え、AMDlabのミッション(「建築をつくる人を、笑顔にする」)にも表れている通り、私たちの思想がA-SPECにも通ずるところがあり、是非一緒に取り組みたいと思ったのが参加を決めたきっかけでした。
 
最初は、ヒアリングを重ねて、業務フローや設計手法等の解像度を高め、プロトタイプを作ってはご意見をいただいて修正してというのを繰り返して進めました。
当時は要件を決めるところから開発まで私と弊社CTOの松原の2人で進めており、私がロジックを作り、Webアプリとして形にするところを松原が担当して初代A-SPECを作り上げました。コンパクトに始めたことが功を奏し、とてもスピーディーに進めることができたと思っています。

初期のA-SPECプロトタイプ

テクノロジーで、トイレの設計業務を変える

人手不足や高齢化などといった課題は、トイレ設計に限らず建設業界全体が抱えています。
 
設計者が「考えないといけないこと」や「やらないといけないこと」も増えてきており、例えば業務の属人化といった業務課題も至る所にあります。人手をかけることで解決してきた課題も、今やその限界を迎えつつあり、解決策としてデジタル技術の活用は必須であり避けては通れなくなっています。
 
最近ですと生成AIが凄まじいスピードで進化し、誰でも気軽に業務や学習等の効率化のために活用できるようになってきました。
生成AIに限らず、様々な技術やサービスが業務フローの中で活用され、設計のプロセスも日々刻々と変化してきています。
 
そんな流れの中で、設計に関わる人にも当然変化が求められ、最新情報への感度を上げておくことや何でも新しいものを試してみるという精神はもちろん大切ですが、便利になっていく世の中において、私は”まぁいっか”という寛容さを持つことも大切だと思っています。
 
 
例えば、日常生活ですと自動掃除機の走行ルートが以前と少し違っていたり、自動翻訳したら語順が一部逆だったり、こういったことは世の中に溢れています。
 
必要最低限の結果が得られれば、細かなことに割く時間を削減して、他の有益と思えることに時間を使った方が、人はよっぽど幸せになれると思っています。
業務においては、もしかしたらそういった時間を他の検討に使ったり、その分早く帰って家族との時間や趣味の時間を過ごしたりというのもあると思います。
 
実際に人が新しいものに適合するつなぎのような領域は、得てしてそういうもので、この”まぁいっか”と思える領域は変化していきます。この領域をどのように捉えて付き合っていくかという点が重要で、寛容さを持って接しないと状況を変えていくことは難しいと思います。
 
今ではスマートフォンが当たり前の世界になりました。
 
しかし、多くの方が中の構造を理解せずに使っていると思います。インプットに対してアウトプットが正しいと判断できれば、中身の細かな理解は、特別な人を除いては不要です。詳細はわからずとも、それを適切に使えるという方が多くの人にとって重要になります。
 
 
これは最新の技術やサービスにおいても同様で、それを使える人とそうでない人の差は必ず開いていきます
 
 
建築は、多くの人が多くの時間をかけてつくられる情報の塊です。
それを扱う人の処理できる情報量が変わらないのであれば、建物の規模が小さくなる、あるいは単純な用途になるといった情報量が削がれた形として建築が現れるのではないかと思います。情報をうまく活用することで、打てる手の数と質は大きく変わります
 
情報の塊を扱うのに、A-SPECのような情報技術を活用した設計手法の相性が悪いわけがないのです。
 
積極的に、そしてもっと気軽にそういった新しい手法をワークフローに取り入れることを検討してみても良いのではないでしょうか。
 
A-SPECは、その強い味方になってくれると思います。

A-SPECといっしょに、トイレ設計の未来を拓く

A-SPECは、小さなプロトタイプから始まり、その後アップデートを続け、できることも増え、使いやすくなってきています。
 
まだ使ったことがない方は、とにかくまずは体験していただきたいです。
設計がWebで、無料で、自動で行える上、導き出された案にはLIXILのノウハウがたくさん詰まっており、これを使わない手はないです。
 
私自身は、A-SPECを使うことはもちろんですが、開発者として、とてもワクワクしてこのトイレ設計の未来を拓くサービスを作っています。
 
「ユーザが価値を感じて使っている」というのはサービスにとって最も大切なことですが、「作り手がワクワクしながら作っている」というのも同時に大切だと思っており、そんなA-SPECの今後のアップデートにも是非ご期待いただきたいです。
 
トイレ設計はA-SPECにお任せです。

筆者紹介

藤井 章弘  /  株式会社AMDlab
2011年に神戸大学工学部建築学科を卒業。同大学大学院工学研究科建築学専攻で建築構造の研究を行い、ワシントン大学への交換留学を経て2013年に修了。2014年から株式会社松田平田設計で構造設計に従事。2019年に松原昌幹と共に合同会社AMDlabを設立し(2021年に株式会社化)、設計支援ツールの開発等を行っている。北海道大学、神戸大学非常勤講師。A-SPECプロジェクトでは主に、自動設計のロジック開発を担当。
■関連リンク
X:@amd_aki
HP:AMDlab

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by LIXIL 小松 紀明

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