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箒星 歌詞解説

曲はこちらから


はじめに

やあやあ、おしゅんです。

今回は2024年11月16日~11月17日にSynNightP様(X:@syn523)によって開催された「本当のルーキー祭り」に投稿させていただいた『箒星』の歌詞の心理学的な部分の解説をしたいと思います

裏話なんですけど、投稿した時期のリアルが大学の軽音サークルのライブやったり投稿祭前日にレポート終わらせたりでばったばたしててすごかった…
けど歌詞は処女作より用語もりもりの難解なものじゃなくて要素少なめのストレートなものが出来上がったんじゃないかな

曲名はあるひとつの考え方への複数の批判から始まったという心理学の歴史になぞらえて、分岐しているイメージから『箒星』という名前を付けましたね

歌詞全文


図1 歌詞全文

要素主義 1A~1B

「はじめに」の最後あたりに述べたある一つの考え方にあたります
つまりこの考え方がなければ、これを考えた人の実験がなければ現代の心理学はないんじゃないかというレベルで大事

要素主義は1879年にW.ヴントがライプツィヒ大学で世界初の心理学実験室(当時はゼミみたいな感じ)を創設したことから始まりました
要素主義の考え方の骨組みは、意識に焦点を当てたうえで細かい心的要素(意識の小さなあれこれ)が統合されて心や意識が成り立っているというもの

意識は純粋感覚(赤い、大きい)と単純感情(甘そう、おいしそう)に分かれるとされ、この考え方が後に出てくる実験方法に大きな影響を与えました
つまりこれらふたつがりんごやおそらく考え方にもひとつひとつ存在し、それぞれに色んな見方があるっていう部分をBメロの星座で表してるんですわ

そんな実験法が内観法です
内観法は統制された条件のもと実験に参加した人の心の中を自分で観察してもらい、報告してもらうという方法のもの
「統制された条件のもと」というのも結構ミソなんですが、このやり方は現代の心理学の基礎中の基礎になるくらい重要なんですわ

実験に参加できる人の条件は色々限定されているので心について客観性を求めた割にって感じですが、まあ初期中の初期っていう段階なんでしゃーない

そして心理学の歴史の幕開けとともにヴントがボロカスに言われて学問として発展していく上での、当時の超重要な批判内容が次です

行動主義 1サビ

ヴントへの批判の一つ目です
目に見えない意識ではなく客観的に測定ができる行動のみを対象としたものになります

これを考えたJ.B.ワトソンは「私に1ダースの健康でよく管理された子どもを与え、自分に環境を自由に支配することを許してくれるなら、子どもを医師にでも弁護士だろうと、泥棒にでも望むものに育ててみせる」と豪語するくらい環境を重要視してました

行動主義は学習(勉強の方ではなく、条件付けの方)にも重きを置いていて、条件付けにより形成される刺激と反応の連合について深まっていきました
刺激と反応の連合っていうのはざっくりいうと何かの出来事や状況(刺激)と体や心がどうなるか(反応)のふたつが結びつくってことだと思ってもらえれば大丈夫です
「古典的条件付け」がまさにそれで、詳しくは前回の歌詞解説に書いてあるので良ければそっちもどうぞ

ゲシュタルト心理学 大サビ前半

M.ウェルトハイマーによって生み出されたもの
ゲシュタルトとは「要素に還元できないまとまりのある全体が持つ構造的特性」
要するになんか一つの細かいところを見るんじゃなく、それを含んだ現象や状況、見え方・聞こえ方を重要視したって訳です

この分野で有名な概念のうちの一つが仮現運動なんじゃないかな
仮現運動について前回の歌詞解説でもちょろっと書きましたね

ただ歌詞について問題点がありまして、「ピカっとするあちらこちらの光 流れ星みたい」の一文でしか書けてないんですよね
もっと書けや俺

精神分析 大サビ前半

フロイト.Sが始めた学派
この学派をたらしめる概念が局所論構造論というものです
80,90年代のヴィジュアル系の歌詞でリビドーとか聞いたことある人もいるんじゃないでしょうか
そのリビドーもバチバチ関わってきます(なんならそれありきの学派)

これらの概念に関しては将来これに焦点を当てた曲を作りたいのでさくっと紹介程度にしときます

ゲシュタルト心理学の歌詞より少なくて「意識の氷山に沈む無意識共」の一文でしか表せてない…
もっと書けや俺 あと歌詞と歌わせてる発音間違えんな
時間ないこうなるから曲作りは計画的にってことだろうね

ちょっと脱線しましたが、せっかく書いたし氷山については解説しときますかね
さっき述べた局所論は意識無意識前意識の3つから成り立ってるんですが、そのモデル化というか図として氷山が使われてるんですわ(氷山モデルって言います)

図2 氷山モデル

そんな感じで心理学の発展は行動主義・ゲシュタルト心理学・精神分析の3つの視点からの要素主義に対する批判からってことになります

大サビ後半

個人的に書きたいことがあるんですが、心理学要素はゼロなので短めにいきます

『ごあいさつ』にも書いたんですが、世の中に溢れているお手軽な心理学へのアンチテーゼ的な感じを前面に出していきました
お手軽な心理学に対して思うのは学問が一人歩きしすぎってことですね
相手のこと知りたいのに心理学使ったり、そういう主張の動画が出回ってるのを見ると「なんだかなぁ…」って思う次第です

自分語り失礼しました
今度は隙を見せないでください

さいごに

ここまで読んでいただきありがとうございました!
お疲れさまでした!
これで『箒星』の解説を終わりにします~

次回はボカロオルタナティブ投稿祭の曲をやろうと思います
なので次回の歌詞解説12月の第二週くらいになるのかなぁ
まあまだ曲に手付けてないんですがね(はよやれ)

ではでは、これからもよろしくお願いします~!

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