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【調査結果】子どものいない人が受けた職場の「不利益」とは

ここまでは、子どものいない人が職場で受けた「不快なこと」についての調査結果について述べてきました。ここからは「不利益」についての調査結果について触れていきます。

「不快」というのは主観的なものですし、それ自体で当人が不利益になったとはいえません。しかし「不利益」は「損失」を被っていることです。

「子どものいない人が職場で不利益なんて被っているのか?」と疑問に思われる人もいるかもしれません。実際、「子どものいない人の被っている不利益の調査をしている」というと、驚く人も少なからずいました。当事者にはすぐに納得していただけたのですが…。

実際に体験した「不利益」にはどういったものがあげられるでしょうか?調査結果をご紹介します。

■子どもがいないことで受けた不利益はどんなことがありますか?(複数回答可)

不利益体験例

これを見ると、「子供がいないので当然とばかりに残業を強いられる」、「産休・育休の制度利用者や子どものいる社員の業務のしわ寄せを受けた」という回答が圧倒的に多いことが見て取れます。

また「フレックス制度」などの柔軟な働き方を担保する制度が子どものいる人限定で、そうでない人は対象外となっている事例や、昇進・昇格が子どものいる人に有利になっているという例もありました。

アンケートは、子どものいる人の主観に基づいて回答いただいているので、厳密に裏を取っているわけではありません。子どもがいない立場からの見方を示しているにすぎません。

とはいえ、回答者の3~4割の人が「しわ寄せを受けている」と回答したのは、何かしらそう受け取れる現象があったと考えられます。

このアンケート調査に協力していただいた方に、実際にどういった状況だったのかをインタビューしました。

回答者Aさんん(女性/現在47歳)は、以前に子育て社員のフォローで激務を経験されました。当時の職場は女性ばかり10名のチームだったそうです。

10年ほど勤務したうち、後半5年間で10名中8名が産休、育休、時短勤務、そして二人目の懐妊となり、それを残りの2名だけでフォローしたのだそうです。残業代は月平均7万円ほどが上限。それ以上は切り捨てで、サービス残業。上限がなければ、2~3倍の残業手当の業務量だったろうと話されました。
タクシー代も出ないため、金曜日は終電を逃して土曜日の朝まで仕事をやることも多かったとのこと。
男性上司は、監督者という立場なだけであって実務にはなにも携わってくれず、相談しても「追加の人員の余裕はない」「いる人でやりなさい」「工夫してやれ」との回答を繰り返されるばかりだったそうです。

※詳しくは、小酒部さやかさんの記事
「子育て社員の業務フォローで深夜残業や休日出勤。残業手当もタクシー代もない、フォローする社員の実例」
をお読みください。


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