マガジンのカバー画像

浅生鴨の短編三〇〇

週に二本(ひと月に八本)の短編を三〇〇本掲載します。一篇ずつでも購入できますが、マガジンをご購読いただくと、ほんの少し割引になります。あとコメントは励みになります。誤字脱字の指摘… もっと読む
僕は締切りがないとぜんぜん書かないので、短篇集の担当編集者から「noteで連載しろ!」と強制されて… もっと詳しく
¥640 / 月 初月無料
運営しているクリエイター

#連載

紙はまだか

 官房長官の定例発表が終わると一人の記者がさっと手を挙げた。シノブ日報の街野だ。 「はい…

100
浅生鴨
5か月前
27

餌は

 ベッドの中で微睡んでいると日曜の早朝にはまるでふさわしくない奇妙な音が不意にどこからか…

浅生鴨
5か月前
29

横断歩道

 斜め向かい側の横断歩道を親子連れが渡っていた。 「ほら、あれ」  信号待ちをしながら飯尾…

100
浅生鴨
6か月前
27

二かいからの目薬

 一日中パソコンを見つめているせいか、夕方になるとどうも目がかすむ。飯尾は目を閉じて手の…

100
浅生鴨
6か月前
34

お好きな席へ

 Bランチは麻婆豆腐のセットに大きな油淋鶏が三つもついてくるから、ご飯を少なめにしてもら…

100
浅生鴨
6か月前
24

未来韓非子

とある惑星の宇宙空港外れにて異世界の武器を鬻ぐ商人あり。未来素材で拵えた得物を誇示するな…

100
浅生鴨
6か月前
29

必ず落ちる

 取調室の蛍光灯がビンと音を立てて点滅している。オリーブ色に塗られた殺風景な部屋には机と椅子だけが置かれ、二人の男が向かい合って座っていた。片側の壁に貼られた鏡はおそらくマジックミラーだろう。 「なあ、木寺さん。いいかげんに白状したらどうなんです」  飯尾警部はそう言って頭の後ろで両手を組んだ。 「いろいろと証拠も上がっていることですし、証人もいるんですから、これ以上黙っていてもしかたがないでしょう」  木寺は何も答えず、空になった丼をただじっと見つめているだけで、その顔から

有料
100

関係者限定

 研究所の前に大きな黒いセダンが停まったのは、夜もかなり更けてからのことだった。 「どこ…

100
浅生鴨
6か月前
26

クリスマスのアルバイト

 チラシには有名デパートの名が書かれていたが、訪ねてみると担当者はチラリと木寺を一瞥して…

100
浅生鴨
6か月前
32

ラベル

 慎重な動作で便座に腰を降ろした飯尾はホッと息をついた。額にじっとりと浮かんでいた汗をシ…

100
浅生鴨
6か月前
27

海へ行こうよ

 夏休みも半ばをすぎて、学生会館のロビーを行き来する学生の数もずいぶんと少なかった。幅広…

100
浅生鴨
6か月前
33

確認

 今の季節、緯度の高いこの国では夜の十時近くになってもまだ空は明るく、街にも人が溢れかえ…

100
浅生鴨
7か月前
24

太陽の時間

 国立天文台で電波干渉計のリアルタイムデータを観測していた宅羽は、画面上のグラフにこれま…

浅生鴨
7か月前
27

他人の意見

この記事はメンバーシップに加入すると読めます