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【絵本レビュー】 『オレ、カエルやめるや』

作者:デヴ・ペティ
絵:マイク・ボルト
訳:小林賢太郎
出版社:マイクロマガジン社
発行日:2017年11月

『オレ、カエルやめるや』のあらすじ:


カエルはカエルがイヤなのです。
だってぬれてるし、ヌルヌルしてるし、ムシばっかり食べるし……。
それよりも、もっとかわいくて、フサフサの動物になりたいのです。

カエル親子の陽気な会話で繰り広げられる自己肯定の物語。


『オレ、カエルやめるや』を読んだ感想:

カエル好きなので、表紙の絵を見ただけで決めてしまった一冊です。でもなかなか興味深いお話です。

カエルをやめたいカエル。カエルに生まれてしまったからにはそれを変えるわけにはいかないのですが、それでも悩んで、もどかしさを感じることは誰でもあると思います。

私は子供の時、名前を変えたくて仕方がありませんでした。小学校の男子からは日々「焼肉ジュージュー」とか「オレンジジュース」とからかわれ、つくづく嫌気がさしていたのです。ある時期は漢字辞典を片手に毎日名前をリストを作ったものです。リストを作っているうちに、もし自分が男の子だったら。。。なんて考え始め、「男の子だったらこんな名前リスト」も書き始めました。幸い中学に入ったら、先生を含め多くの人が名前を褒めてくれて、みんなが名前で呼ぶようになってくれたので、今となってはこんな変な名前をつけてくれた父親に感謝しています。

自己否定の時期って絶対来るんですよね。息子にそんな時が来たら、まずは信頼して話してくれるような親になっていたいと思いますが、どのように否定を肯定に変える手助けをしてあげられるか、今から「聞く」準備をしておかなくちゃな、と思いました。



『オレ、カエルやめるや』の作者紹介:


デヴ・ペティ(Dev Petty)
作家。 大学で政治学を学んだ後、マトリックスシリーズなどの映画製作に関わり、映画の視覚効果アーティストになる。 出産後、映画の製作現場を去ったが、絵の制作や指導者としての仕事を行っている。 カリフォルニア州バークレーで生まれ育ち、現在はオールバニーで夫や娘、犬、そしてその他と生き物たちと楽しく暮らしている。


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