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【絵本レビュー】 『せんろはつづくよ』

作者:マーガレット・ワイズ・ブラウン
絵:ジーン・シャロー
訳:与田準一
出版社:岩波書店
発行日:1979年2月

『せんろはつづくよ』のあらすじ:

2台の小さな機関車が,ぱふぱふ,ちゃぐちゃぐ走ります.めざすは西の青い海――トンネルをくぐり,鉄橋を渡り,山を越えてゆく汽車の旅を,リズミカルな文章と,モダンな配色の絵で描きます.


『せんろはつづくよ』を読んだ感想:

とても古い絵本を貸してもらいました。古いけれど、大切に読まれていたんだろうなという感じのする絵本で、私はただ表紙を撫でているだけで幸せです。

内容は、二台の列車が一緒に西へ向かって走っていく、というとてもシンプルなものですが、素敵なのは詩のような文章。小さな子にはちょっと難しいかなと思いましたが、なんのなんの息子は「ぱふぱふ ちゃぐちゃぐ」と走る列車に虜になっていました。そこへ入ってくる詩的な文章は、息子にとってはBGMのように滑らかなものだったのではないかと思っています。挿絵も少し幻想的で、その幻想の中で息子はゆらゆらと泳ぎ回っていたように感じました。

「せんろはつづくよ」と聞くとなんだか違う歌が頭の中を流れますが、この絵本は全く行進したくはならず、とてもゆったりした気持ちにさせてくれます。

『せんろはつづくよ』の作者紹介:

マーガレット・ワイズ・ブラウン
1910年アメリカ ニューヨーク州生まれ。こどもの本の編集者を経て、絵本作家になる。「おやすみなさいおつきさま」(評論社刊)、「たいせつなこと」(フレーベル館刊)、「おやすみなさいのほん」(福音館書店刊)などの作品がある。1952年没。


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