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【絵本レビュー】 『ちいさなコアラ ピクニく またきていい』

作者/絵:ガブリエル・バンサン
訳:もりひさし
出版社:ブックローン出版
発行日:1984年11月

『ちいさなコアラ ピクニく またきていい』のあらすじ:

おばあさんのロザリーとコアラのピクニク、雪に着いた足跡がきっかけで出会ったふたり・・・
げんきなロザリーと礼儀正しいピクニク、ふたりのやりとりがほほえましく、優しく、心あたたまる名作童話です。

『ちいさなコアラ ピクニく またきていい』を読んだ感想:

母が「読み聞かせにいいのでは」と言って選んでくれました。好奇心旺盛なロザリーおばあさんと、とても礼儀正しいコアラが友情を結ぶというシンプルなお話なのですが、素敵な絵と優しい会話に心がほっこり。コアラが雪深い森に住んでいるとか、コアラの手が人間みたいに書かれている、というのは私の荒んだ大人の感性が先走ってしまったからなので、子供には言わずにおきました。危ない、危ない。

作家のバンサンさんは、あの『アンジュール』を描いた作家さんなんですね。イラストがとても好きです。なぜうちの母がこの絵本にたどり着いたのかは謎ですが、出会えてよかったです。

特に好きなのは、足跡を見つけたからと言ってコアラの家を訪ねてしまうところ。スペインでは突然のお客さんは割と普通だったのですが、ドイツでは友達とお茶をするのも数週間、時には1ヶ月前に約束をするんです。私的には、今話が合っているので即会ってこのポジティブエネルギーを保持したいのですが、1ヶ月も先だとどうして会いたかったのかすら忘れてしまいます。あと、スペインに比べてあまり家に招待されることがないですね。ドイツは社会的には機能しているので住みやすいですが、友達を気軽に誘いづらいのがちょっと寂しいかなあ。



『ちいさなコアラ ピクニく またきていい』の作者紹介:

ガブリエル・バンサン(Gabrielle Vincent)
1928年、ベルギー、ブリュッセル生まれ。絵本作家。美術学校で絵画を学び、以後長期にわたりデッサンに専念した。木炭デッサンの絵本「たまご」、インクによるデッサン絵本の大作「セレスティーヌ―アーネストとの出会い」(BL出版)でいずれもポローニャ国際児童図書展グラフィック賞受賞。鉛筆画の大作「天国はおおさわぎ―天使セラフィーノの冒険」「マリオネット」(BL出版)などの作品がある。2000年9月没。


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