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【絵本レビュー】 『ねずみのおいしゃさま』

作者:なかがわまさふみ
絵:やまわきゆりこ
出版社:福音館書店
発行日:1977年4月

『ねずみのおいしゃさま』のあらすじ:


大雪が降る夜。ねずみのおいしゃさまが寝ていると、リスさんから電話がかかってきました。「ぼうやがかぜをひいて、ねつをだしていますから、すぐきてください」。奥さんに心配されながら、ねずみのおいしゃさまはスクーターに乗って出かけていきます。しばらく行くと、スクーターが雪で動かなくなってしまいます。困ったおいしゃさまは……。

『ねずみのおいしゃさま』を読んだ感想:


私は医者が嫌いです。いつもなんとかして避けたいし、病院に行くと緊張してドキドキします。子供の頃は大きい病院に行くとあまりの緊張で吐いてしまう始末。いくつ学校の帽子をダメにしてしまったことか。。。すまん、父。

でもこんなおいしゃさまだったら見てもらいたいですね。まあ、読んだ時には来てくれなかったけど、これだけのんびりしているおいしゃさまなら怖くないかも。

私が覚えている最初の医者はおじいさんでした。風邪をひいて連れて行かれて、聴診器を当てるから上を脱ぎなさいと言われモジモジしていると、「俺は医者だ。恥ずかしいことがあるか!」と怒られました。それからはその先生が怖くて、予防接種に行った時も「パパに打ってもらう」と泣き喚いたことを覚えています。経験もあっていい先生だったんでしょうけど、子供の気持ちをもうちょっと理解してくれても良かったのではないでしょうか。

そういえば、私がかかっていた歯医者の先生も怖かった。「痛いのは当たり前」で、グズグズ動くと網で押さえつけられたりしました。今思うとこれってトラウマになりますよね。先生としては安全性を考えてのことなのでしょうが。最近帰国時に行く歯医者さんはとても優しくてびっくりしました。「痛いのは我慢しないでくださいね」なんて言ってくれて、感動して涙が出そうでしたよ。麻酔だって、子供の時の先生は親の仇みたいにブスブス打って来たけれど、今の先生は「ちょっと痛いですよ〜」って言ってチクチクって打つだけです。こんなねずみのおいしゃさまみたいな人、本当にいるんですね。少し希望が出てきました。


『ねずみのおいしゃさま』の作者紹介:


なかがわまさふみ(中川正文)
1921年奈良県生まれ。児童文学作家、児童文化研究者。福音館書店より出版した『ごろはちだいみょうじん』や『ねずみのおいしゃさま』が代表作であり[3]、そのほかにも多数の著書がある。なお、上梓した『ごろはちだいみょうじん』は、日本の出版史上初めての関西弁の絵本である[1]。同書は、日本の出版界に大きな影響を与え、方言など絵本における言葉遣いが議論される嚆矢となった。2011年逝去。


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