文脈を読むということ

Twitterをしていると、「よくぞここまで!」と感心してしまうほど、

文脈が読めない大人

がたくさんいます。

何故そんなに文脈が読めないのか?

今回は、私がこれまでの講師経験から感じている

「文脈が読めない人は多分こんな感じで文章を読んでいるのでは?」

という仮説を皆様にも見ていただき、さらに、体験して頂こうと思います。

次の文章を見てください。

これは私が適当に作った文章です。

内容的には小学校高学年なら十分理解できる程度の文章です。

しかし、大人であっても、この文章の内容が読み取れない人がゴロゴロといます。

では、何故読み取れないのか?

その理由の一端を理解して頂くために、文脈を読み取れない人が読んでいる文章を少々強引に形にしてみました。

それが次の文章です。

いかがですか?

単語、主に名詞のみが見えていて、反対に、助詞や助動詞、接続詞などのひらがな部分は目に入っていないのが実感できますでしょうか?

これが「文脈を読み取れない人が読んでいる文章」なのです。

単語のみに反応し、文脈を決定する助詞や接続詞をしっかり見ていないのです。

私は何も根拠なくこんなことを申してる訳ではありません。

普段の授業で読解力の乏しい子ども達にテキストを音読させると、例外なく「ひらがな部分を正確に読めない」ことから、このように見えているのだと考えたのです。

もちろん、彼らは物理的・肉体的にひらがな部分が小さく見えにくくなっているのではありません。

単に「ひらがな部分は適当に読んでも問題ない」という意識のせいで、「目に見えているのに、読めていない」状態になっているだけです。

その結果、単語から推測した内容を勝手に自分の脳内で作ってしまいます。

しかし、例に挙げた程度の文章でも単語だけを追っていたら内容を過不足なく正確に読み取るのはかなりキツいはずです。

そこで、これまた無自覚に、「自分にとって理解しやすい内容に文章を改編して読んでしまう」のです。

手っ取り早く言えば、「自分に都合良いように、勝手な思い込みをしてしまう」のです。

Twitterを眺めていると、日常的に

「AはBだと思う」

なんて内容のツイートに、

「AはBに決まってるだろ!」

などと、往年の志村けんの爺さん婆さんコントのようなクソリプが返ってきたりしています。

迷惑な話ですね。

では、続いて、読解力が高い人、即ち、文脈を正確に読み取れる人の文章の見え方を紹介します。

次の文章を見てください。

いかがですか?

先ほどと対称的に、全体を読み飛ばすことなく、さらにひらがな部分をより意識的に読んでいるのが伝わるでしょうか?

単語ではなく、単語と単語の繋がり方、関係性に意識を払って読むと、必然的にこのような読み方になります。

どうにも読解力に自信が無いという方は、是非とも「ひらがな部分を特に意識しながら」、ゆっくりと読むことを意識してみてください。

脳に入ってくる情報の解像度が格段に上がるのを実感できると思いますよ。

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