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優しさに包まれたなら

昨日は、一日、上野の東京国立博物館(東博)にいました。東洋美術を扱う東洋館と日本美術を扱う本館で、ひたすら作品を観て、解説を読んで。勤務画廊は、特に扱う専門分野が在るのではなく、好きになった美術品を扱うというスタイル。なので、幅広く日本を始め東洋の美術について知ろうと自分なりに集中力を発揮。帰りの電車ではかなり疲れておりました。

さて、帰りの電車でのこと。新宿から始発の小田急線に乗って最寄駅まで帰ろうとしていました。席に座った私の前に立ったのは、初老位のおじさん。まだ電車は始発の新宿駅に停まっていましたが、もう車内に空いている席はありません。私はといえば、『あー疲れた』とへばっており、初老の方が前に立ったことを認識もせず。そして、正直、疲弊していて、もし気づいても、席を譲ることは出来なかった、していなかったと思います。

そうしたら、私の横に座っていた十代後半位の女の子が、さっと立ち、席を譲ろうと初老の方へ声を掛けました。
『どうぞ!』と、元気よく女の子。
『え?いや、いいよ』と初老のおじさん。
『いえいえ』と女の子。
そしておじさんは、お礼を言って座りました。
そのやりとりに、心底感銘を受けている自分がいました。その子の爽やかさに。なんというか、誠にさわやかな笑顔でした。

昨日は、その女の子に大切なことを教えて頂いた気がしました。よく考えたら、その子だって疲れていたかもしれないのに。
そして、女の子が降りる時、初老のおじさんは
『どーもね。』と声を掛けました。
『はーい』と、女の子。
この文章を読んでくれたあなたに、伝えたい事が伝わるか不安ですが、とにかく感動した自分がいました。

そして、帰宅後、思ったのは、
『こういうのも美の探究だよなぁ』ということ。少なくとも私にとって、今日のこの事は美しく、記憶しておきたい事です。だからこうやって書いております。簡潔に言葉にすると、『綺麗な心を見た』ということになるのでしょうか。
『思いやり』とか『優しさ』とか、頭では分かっていてもいざ実践するとなると難しい時もある。
それでもやっぱり、そういう心は大切にしたいですね。

やはり、外に出ると、何かしらはあります。家にこもっていても、こういう事は起こらないですからね。
色々と、勉強になりました。
ありがとう❗️

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