【詩】暗室とイヤホン

暗い方が好き
耳は塞がれてたい

自分だけでいたい
自分だけが痛い

水疱が潰れる音がする
心臓が潰れる音がする

弾けたあの子は
いつの誰

もう戻らない過去に
暗幕をかけて
退路を断つ。
扉の前で膝を抱えた。

朝まで泣くから誰も開けないで

浸透圧にひたる夜
「沈む」と「浮かぶ」を繰り返す
ゆれる揺り籠
ここはどこ

沈む夕日に手にかけて
朝日はまだ殺せない

きっと、ここは疑似胎内
膝を抱えて今日も眠る
私を抱いて私は眠る

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?