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カルバン派とは

カルバン派(改革派)は、16世紀の宗教改革運動の一環としてスイスのジュネーブでジャン・カルヴァン(Jean Calvin, 1509-1564)によって始められたプロテスタントの一派です。カルヴァンの教えとその影響は、現在でも世界中の多くの教会と信徒に大きな影響を与えています。以下に、カルバン派の歴史、経緯、および信仰の特徴について説明します。

歴史と経緯

1. 宗教改革の背景

  • カルバン派は、16世紀の宗教改革運動の中で生まれました。この運動は、カトリック教会の腐敗や教義の誤りに対する抗議から始まり、マルティン・ルターやウルリッヒ・ツウィングリなどの改革者によって推進されました。

2. ジャン・カルヴァンの登場

  • ジャン・カルヴァンはフランス出身の神学者で、宗教改革運動の一環としてスイスのジュネーブに招かれました。彼は1541年にジュネーブで宗教改革を開始し、ここでその神学体系を確立しました。

3. ジュネーブでの活動

  • カルヴァンはジュネーブで「キリスト教綱要(Institutes of the Christian Religion)」を著し、これが彼の神学思想の基盤となりました。彼の教えはジュネーブを宗教改革の中心地の一つにし、多くの追随者を引き寄せました。

4. カルヴァン派の広がり

  • カルヴァンの教えは、スイスだけでなくフランス、オランダ、スコットランド、イングランド、さらには北アメリカへと広がりました。各地で独自のカルヴァン派教会が形成され、これらはしばしば「改革派教会」や「長老派教会」として知られています。

信仰の特徴

1. 聖書中心主義

  • カルヴァン派は、聖書を信仰と生活の最高の権威とみなします。すべての教義と教会の実践は聖書に基づいているべきだと考えます。

2. 神の主権

  • カルヴァン派の信仰の中核には、神の絶対的な主権という考えがあります。すべての出来事は神の意志と摂理によるものであり、人間の救済も神の選びと恵みによるものだとされています。

3. 予定説

  • カルヴァン派は、神が永遠の昔に誰が救われるかを予め定めたとする予定説を強調します。この教義は人間の行動や功績ではなく、神の恵みによる救済を強調するものです。

4. 聖礼典

  • カルヴァン派は、洗礼と聖餐の二つの聖礼典を認めます。これらは信仰のシンボルであり、神の恵みを受ける手段とされます。

5. 教会の組織

  • カルヴァン派は、教会が民主的で長老制の組織を持つべきだと考えます。教会の運営は牧師や長老によって行われ、信徒の代表が教会の意思決定に参加します。

6. 倫理と社会

  • カルヴァン派は、信仰が個人の生活だけでなく、社会全体に影響を与えるべきだと教えます。信徒は公正と正義を追求し、社会改革にも積極的に関与することが求められます。

まとめ

カルバン派は、ジャン・カルヴァンの教えに基づくプロテスタントの一派で、聖書中心主義、神の主権、予定説、聖礼典の重視、教会の民主的な組織、および倫理と社会への関与がその特徴です。この信仰と教えは、世界中で多くの信徒と教会に影響を与え続けています。

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