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パスの強弱を使い分ける

1.はじめに

パスミスが多い人、
そのほとんどに当てはまることがあります。


それは、パスの強弱が使い分けられないこと。


こう言うと、選手たちのパスのスピードが速くなります。


ですが、残念。


パスミスが多い選手の特徴として、遅いパスを使いこなせない人が多いです。

よく見かけませんか?

チャンスが生まれそうなシチュエーションで渾身のスルーパスが、

インターセプトされるでもなく、

並走している相手DFのもとに渡っていくのを。

後ろで待ち構えるゴールキーパーにキャッチされているのを。


この記事ではパスの強弱を意図的に使い分けられるように理解を深めてもらいたいと思います。
最後まで読んでいただくことで、3つのスキルを習得できるでしょう。


① 相手選手の動きをコントロールすることができる
② 味方のミスを減らすことができる
③ チームの決定機を増やすことができる(得点が増える)



それでは本題に移ります。


2.強弱の基本

では、どんな時に強いパスをつけた方が良くて、弱いパスはいつ使った方が良いのか。
詳細を語る前に、まずは考え方から解説します。
原則として、パスの強弱は味方の動きに合わせて出してあげましょう。

では味方の動きとは?
今回の記事では、以下の3パターンとして話を進めます。

ⅰ)ボールから離れていっている → 強いパス
ⅱ)静止している → 強いパス
ⅲ)ボールに近づいてきている → 弱いパス


(1) 強いパスを出した方が良い場面

よく知られている「止めて蹴る」の映像です。
以下の動画は強いパスをコントロールして、時間をかけずにパスするトレーニングです。
ミスなく強いパスをコントロールできているのは何故でしょうか?
それはボールを受ける選手の状態に秘密があります。

(1)-① 自分から離れていっている味方の足元にパスを出す時


【誤】速いパス / 【正】強いパス

まず1つ目のパターンは、パスを受ける選手が自分から離れていっている時です。
味方との距離が離れていっている時に弱いパスを出すと、相手にインターセプトされる可能性が高くなります。加えて、後ろに下がりながら強いパスをコントロールすることは、ボールの勢いを吸収しやすいため、そこまで難しい技術ではありません。
パスを受ける味方が相手DFに寄せられないためにも、強いパスを出してあげましょう。
ただし味方の前方にあるスペースへパスを出す場合は、強いパスだと繋がらないことが多いので注意が必要です。


(1)-② 味方が静止している時

【誤】速いパス / 【正】強いパス

次に2つ目のパターンです。味方が静止している時は強いパスを出してあげましょう。

基本的に味方が静止している時は、良いポジションに立ってパスを受けられる状態だと言えます。
なので、できる限り時間とスペースを味方に与えるために強いパスを足元に出すようにしましょう。


(2) 弱いパスを出した方が良い場面

一方で、弱いパスが必要な場面も多々あります。
ところがSNSなどで見かけるパス練習の動画は、速いパスをピタッと止めるようなものばかりです。「パスの質を高めよう」と言うと、揃いも揃って強いパスを出そうとします。笑
本当にうまくて、賢い選手は弱いパスの使い分けがとても上手です。
ここでは、どういった場面で弱いパスが必要になるのかを解説していきます。

① 味方が近寄ってきている時

近寄ってきている味方に対して、弱いパスを出す “ ねらい ” は大きく2つあります。
1つ目は相手を動かすため。
味方に弱いパスを出すことで、相手はそれに対して対応してきます。
そうすることで、先ほどとは違う場所にスペースが生まれたり、相手の守備ブロックに綻びを生じさせることを狙います。

次に2つ目は、相手の出方を窺うことです。
弱いパスは比較的コントロールしやすく、相手の動きを観察しながらボールを受けることができます。
パスを受けた選手が観て・判断する余裕が生まれます。

余裕が生まれて相手を観ることができると、相手がプレスに来なければターンして何でもできるし、

相手がプレスに来るようなら1タッチリターンで受けた選手が運ぶドリブルやパスで相手ブロック内に侵入できる。

速いパスだと、ボールをコントロールすることに集中してしまい、相手を観る余裕が生まれませんよね。


② 裏へ抜け出す選手へパスを出す時(状況による)

以下、よくあるボールの失い方ですね。
裏抜けに対応する相手DFの位置をよく観る必要があります。
基本的にDFは後ろからマークするものです。
味方の裏抜けに対して、対応されているのにもかかわらず、裏のスペースに流し込むような強いパスを出してしまうと、簡単にボールを奪われてしまいます。

そこで大切なのは、相手がどこに立っているのかを観ることです。

相手がボールに対して、
奥側に立っているなら「手前」を起点にして前進する。

相手がボールに対して、
手前側に立っているなら「奥側」に流し込んであげる。

3.まとめ

以上のように、味方とボールとの関係によってパスの強弱を使い分けることが基本となります。
その中で、裏抜けする選手に対しては「相手DFの位置関係を観て、パスの使い分けをしましょう」というお話でした。
弱いパスを出すためには脱力する必要があります。
一生懸命にプレーしていると、どうしても身体に余計な “ 力み ” が生じてしまうので注意が必要です。
相手のプレッシャーにも負けず、脱力してプレーするためには、周囲の状況をよく観察し、把握するよう心がけましょう!

本日は以上となります。
今後も選手や指導者の皆さまが、プレーする時の頭の整理ができるような記事を更新していきますので、是非ご覧ください!

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