沙界夜

しさくおきば。 さかい よる 詩集『君の見ているものが僕に少しも見えなくても』(RAN…

沙界夜

しさくおきば。 さかい よる 詩集『君の見ているものが僕に少しも見えなくても』(RANGAI文庫)上梓

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しさくおきば

ふと、何かを形にしたいことが往々にしてあります。憎らしいのはそれを誰かに見てもらいたいという欲さえあることで、メルマガを発行しようかと随分前から思っていたのです…

沙界夜
1か月前
2

まひるまのはだ

波間に。 ただよう。 冷えていくことを心配している たっぷりと注がれた真水を飲んで 覆い かぶさる。 なぜ、 わらって見せて しろい まひるまのはだ どこに辿り着くとも…

沙界夜
5日前
1

わ(か)れる

こんばんは。 影が細長く伸びる夜に、雨だれの夜に、 三日月の夜に、夜に、夜に、よるに、 僕と君はお互い向き合って、やがて、次第に、やがて、次第に、いよいよ、ついに…

沙界夜
1か月前
4

同じ雨に打たれて

同じ雨に打たれて 私だけ熱を出して 君はわらっている 飲みかけの水を寄越して、 君はわらっている 同じ雨に打たれて 私だけ熱を出した 君はわらっていた プリズム、プリズ…

沙界夜
1か月前
3

無題に

透明な目覚め 天井 灰色と、白 青色 薄い、暗い たとえ世界が 終わっていた としても私は 気がつかない いまだ、 透明な目覚め

沙界夜
1か月前

鬱鬱とした夜の

鬱鬱とした夜のたのしい眠り まあたらしい太陽のにおいに包まれて よこたわり、 真っ白なシーツを頭の先まですっぽり被ると はみ出した爪先が冷えた空気のさびしさに触れ…

沙界夜
1か月前
1

丁寧に乱暴によせて

月と太陽がすれ違うたび 朝と夜は混ざり溶けあう また[blank]つ[blank]た、 なに(か)が、 死んだ昨日を僕は生き た 生まれる明日に 僕は死ぬ だろう

沙界夜
1か月前
4

院へ

右足が地を蹴るときそのやわらかさに慄く 必要なものはいつも 必要としなくなってから訪れる こんにちは。ノックもせずに、 歪んでしまった背骨を治しに参りました。 右足…

沙界夜
1か月前
5
固定された記事

しさくおきば

ふと、何かを形にしたいことが往々にしてあります。憎らしいのはそれを誰かに見てもらいたいという欲さえあることで、メルマガを発行しようかと随分前から思っていたのですが、そういえばほとんど見るだけのために作っていたnoteがあったな…と夕飯のあと突然思い当たったので勢いに任せて作ることにしました。詩作、試作、思索……置き場として、気が向いた時に更新しようと思います。どうでもいい独り言は(今も大して稼働していませんが)Xのほうでするとして、こちらはシンプルに作品ばかりにしていきたいな

まひるまのはだ

波間に。 ただよう。 冷えていくことを心配している たっぷりと注がれた真水を飲んで 覆い かぶさる。 なぜ、 わらって見せて しろい まひるまのはだ どこに辿り着くとも知らずにただ、 はぐれることはないように繋ぐ てのひら 生きた心地のしない体温が 冷えていくことを心配してる 繰り返される 規則ただしく 教えられた通りに わたしも、 あなたも、 わたしと、 あなたと、 しろい 灼けて はぜて 収縮する しろい まひるまの はだ 社交辞令

わ(か)れる

こんばんは。 影が細長く伸びる夜に、雨だれの夜に、 三日月の夜に、夜に、夜に、よるに、 僕と君はお互い向き合って、やがて、次第に、やがて、次第に、いよいよ、ついに、 反転した こんばんは。 (涙を流さずにいられる) それが真実であるかどうかは この眼を閉じる時まで託すよ、君に こんばんは。 思い出すには褪せてしまった 思い出すには燻んでしまった 思い出すには砕けてしまった 思い出すには呆れてしまった 思い出すには崩れてしまった わたしの、わたしの、宝石たち

同じ雨に打たれて

同じ雨に打たれて 私だけ熱を出して 君はわらっている 飲みかけの水を寄越して、 君はわらっている 同じ雨に打たれて 私だけ熱を出した 君はわらっていた プリズム、プリズム、プリズム、 同じ雨に打たれて 君はわらっている 同じ雨に打たれて 私だけ熱を出した 君はわらっている 君はわらっている 君はわらっている おやすみもういちど

無題に

透明な目覚め 天井 灰色と、白 青色 薄い、暗い たとえ世界が 終わっていた としても私は 気がつかない いまだ、 透明な目覚め

鬱鬱とした夜の

鬱鬱とした夜のたのしい眠り まあたらしい太陽のにおいに包まれて よこたわり、 真っ白なシーツを頭の先まですっぽり被ると はみ出した爪先が冷えた空気のさびしさに触れた 君と僕の目線はほとんど同じくらいの高さにあって 星の数を正確に数えながら朝がくるまで語り合うと それきり僕らはもう二度と会わないのだった 鬱鬱とした夜のたのしい眠り そうして僕はまた、かわるがわる新しい君と出会う

丁寧に乱暴によせて

月と太陽がすれ違うたび 朝と夜は混ざり溶けあう また[blank]つ[blank]た、 なに(か)が、 死んだ昨日を僕は生き た 生まれる明日に 僕は死ぬ だろう

院へ

右足が地を蹴るときそのやわらかさに慄く 必要なものはいつも 必要としなくなってから訪れる こんにちは。ノックもせずに、 歪んでしまった背骨を治しに参りました。 右足が地を蹴るとき、 そのやわらかさに慄く