喉から出た手で君を抱きしめたい

似ていると思う
姉と弟がいる私と兄と妹がいる君は
15歳で見つけた黄金の星は
どこへ逃げてもついてくる
隠れているときもあるけど
確実に存在して離れてくれない

君は優しいだけでおもしろくない
嫌われてみたいのに
君に好きだと言わなければずっと平行線だった
別に今も平行線だ
ただ、交われない違う星に王子様がいるって気がついただけ

私の星では私がお姫様だ
でもお化粧をしないとお花が買えないし
カーテンも壁紙も花柄だけど
お洋服だけは無地だった

ある日、退屈を殺すために行った街で喉から手が出てしまった
真っ白のセーターに真っ赤な雫がついて可愛かった
君に触れるためにあるこの手が
君を忘れないためのこの脳みそが
どうでもいい街で名前のわからない花を摘み彩度の低い景色を記憶していった

全部無駄な気がして
生まれ変わりたくて
でも私のまま君に会いたくて触れたくて愛されたくて

出てしまった
手が

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