500時程度エッセイ集:近所との会話

 マンションの駐輪場で、シニアのおばさんに話しかけられました。
「こんな朝早くから、どちらまで?」
 朝九時頃です。買い物に行くには少々、早い
「公民館まで。ヨガをやってるんです」
 おばさんは、わたしの背中のヨガマットに目を走らせました。
「わたしは、近所のスポーツジムまで行くのよ」
「へー。どんなことをされてるんです?」
「エアロビクスと卓球」
「へー。だからそんなに痩せてるんですね!」
 そのおばさんは、決して美人ではありませんが、目が強く輝いています。手には日焼け止めの手袋をはめ、メッシュのシャツを着ていました。黒いスパッツを穿いています。彼女も自転車でスポーツジムまで行くつもりらしく、荷物を買い物かごに入れていました。
「最近自転車に乗ったばかりだから、コケてばかりいるのよね。困ったモノよ」
「あらー。骨折には気をつけてね!」
「ありがとう!」
 そんな会話をしたあとに、わたしは公民館まで自転車で走って行きました。
 なんということもない会話ですが、暖かい気持ちになるひとときです。

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