見えない鍋底

花粉症持ちなので、休みの日は家から一歩も出ない。
動画みたり、ご飯作ったり、掃除したり、ゴロゴロしたり、インドアを満喫してる。
夜だけは近所に飲みにいったり、作ったり、作りに行ったりもしていた。

洗い物をしてると、スポンジが買い時なのに気付き、買いに行くことに。


「そろそろ泡立ちが悪くなったね。」

素足で出歩くにはまだ寒いから靴下を履いて出る。
今使ってるスポンジが売ってある二駅離れた100均まで自転車で行った。

「見て。このスポンジ、穴があるから洗剤の上に乗せれるようになってるの。」

次に買いに来るのは面倒なので、ストック含め二個買った。なんとなく必要なものがある気がして、一周してみた。なんとなく無地のゴミ袋も買うことにした。

「うちは市の指定のゴミ袋なんだよね。」

次にお米がなかったのでスーパーへ。
OKストアさん。お世話になってます。
なくなりそうなものの他にいつも決まったものを購入する。
卵。ネギ。玉ねぎ。しらす。明太子。ししゃも。豚肉薄切り。牛豚ミンチ。あとは値引されたやつ。
多めに買って、気が向いた時に作ってストックしておく。
いまの時期は大体シチュー。困ったらグラタンにも出来るし。

「グラタン持ってきてくれたんだ!」

家に帰る途中、前方にかすかな光が見えた。それはゆらゆら、ゆらゆらと漂っている。光はだんだんとこちらに近づいてきた。二人乗りをしたカップルの自転車がゆっくりと蛇行しながら横を取り過ぎていった。

「今日は飲みすぎちゃったね。」

家につき、シチューの下ごしらえをする。玉ねぎと安くなった鶏肉をを切り、美容にいいらしいブロッコリーを茹でる。準備ができたら、ダイアンのラジオを聞きシチューの素に書いてある手順で作っていく。

「ダイアン面白いわ〜。」

シチューの素を全部入れ、何か起こることもなく8人前のシチューが完成した。作り終え、タッパーに一つだけお弁当用にいれて冷蔵庫にしまった。


作りすぎたな。
シチューをおいしいと食べてくれたあの人はもう横にはいない。

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