「AI彼女アプリ」をめぐる意外な争点
今年OpenAIが開始したChatGPTストアでは、規約違反であるにもかかわらず、開設直後からすさまじい件数の「AI彼女アプリ」の申請があったそうです。
AI彼女アプリをめぐっては色々な議論が起きているようです。
ウェブ上での恋愛関係という意味では、すでにかなり昔からこういうものは存在していると思いますが、ディープフェイクや生成AIによってより段階が上がるのだと思います。
賛否があるのはそうなのですが、論争のキーワードは
「孤独と孤立」そして「女性嫌悪(いわゆるミソジニー)」
です。
まずAI彼女を作っている側の人々は、アプリの(社会的)意義を次のように説明しています。
孤独と孤立を抱えている人(主に男性)の助けになる
実際の対人関係を気づく上での社会スキルの練習になる
いずれ現実のパートナーを見つける手助けとなる
一方AI彼女に反対している人の主張としては、
自分の言うことをいつでも何でも聞いてくれるAIと対話していても、社会スキルが磨かれることはない
理想の女性についての一元的な姿を植え付けてしまう(アプリには所詮数個のバリエーションしかないため、その中で理想像が固定される)
孤独は解決しても孤立の根本的な解決にはなっていない
AI彼女が危ない行動に先導することもある(エリザベス女王の暗殺未遂事件など)
ちなみに参照記事の著者はChaynという性別に関連する被害を受けた人(主に女性)を救済する団体のメンバーということもあり、ブログの書き振りとしてはAI彼女アプリ完全否定派です。
ここでちょっと興味深いのは、「AI彼氏」も存在するわけで、肯定的に紹介されている番組が日本にありました。ここで紹介されている女性は、まさに暴力被害を受けてきた女性を救済する存在として「AI夫」と暮らしています。
とはいえ、やはりこのテーマはセンシティブな問題です。
そもそもAI彼女アプリは(全部か一部かは分かりませんが)、NSFW (Not safe for work) 指定されています。
冒頭で述べたように、ChatGPTストアでも規約で禁止されています。
皆さんはどう考えるでしょうか。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?