見出し画像

新語・流行語、どれくらい知ってますか?

ユーキャンの新語・流行語大賞の候補が先週発表されたわけですが、みなさんは、何個くらい知っていますか?ここで、「知っている」というのは、「他人に説明できる」という意味で使っています。

今回は、どれくらいの人がどの新語・流行語候補を知っているのかをアンケート調査しました。ちなみに、新語・流行語候補はアンケートで選んだ方がいいんじゃないか、という話をこちらの方がされていましたので、引用させていただきます:

個々の新語・流行語候補の解説は、他の記事等をご参照ください。

仮説・具体的な問い

  1. 実はほとんどの人が知らない新語・流行語候補もあるのでは?

  2. 特定の人たちにだけ知られている流行語たちがある?

調査概要

102名(無効回答2件を除く)の方から回答いただきました[*1]。

属性分布

質問はこちらになります:

今年の新語・流行語の候補の中で、あなたが他の人に言葉の意味をちゃんと説明できるものはどれですか?
該当する回答をすべて選択してください。

新語・流行語の認知度調査(2023/11/6 実施)

今回は、通常の複数選択型質問形式で調査しました。
まずはランキングを見ていきましょう。

選択された数(水色=選択された / 黄色=選択されなかった)の分布

上の方にあるのが、よりたくさん票を集めている語です。「X(エックス)」が一際強く、続いて「チャットGPT」「闇バイト」「藤井八冠」「性加害」といったところです。ニュースで取り上げられることが多かったので、このあたりは納得なのではないでしょうか。

実はほとんどの人が知らない新語・流行語候補もあるのでは?

一方、あまり知られていない語はなだらかに分布していて、「スエコザサ」「観る将」「新しい戦前」「Y2K」「OSO18/アーバンベア」あたりになります。似たトピックでも、「藤井八冠」と「観る将」の差が激しいですね!

特定の人たちにだけ知られている流行語たちがある?

どういうことかというと、「ある集団は若者言葉はあまり知らないけれど、専門性の高い語はよく知っている」とか、その逆のようなイメージです。あり得そうではないでしょうか?結果を見てみましょう。

回答パターンのテーブル図。各行が回答者、各列が選択肢(新語・流行語)に対応。テーブルの要素は、回答者集団(行要素)が、選択肢(列要素)に合計いくつ「該当」したかを表す。回答者IDの色分けと最下行の色分けは、それぞれ回答者と選択肢のグループ分けを表す。

上のテーブルで、各列が選択肢(新語・流行語)に対応していますが、その並びは以下のとおりです(上のランキングとは別の並び順です!):

テーブル図での選択肢(新語・流行語)の並び順、グループ分けと投票数

テーブルの要素の並び順とグループ分けは、機械学習処理をベースにして決定されています。
青グループは、およそみんなが知っている語が集まっていると言えるでしょう。
赤グループと黄グループが、知っている人が分かれる語ですが、上で触れたランキング最下位あたりの語は、総じて認知が低いのがテーブル図でも判ります(22~25列目のセルは、どの回答者を見ても票が少ない)。

以下の3種類は、知っている回答者がパターン分けされている様子が伺えます:

  • 赤グループの10列目~15列目は、主にスポーツ系(青グループの回答者は知っている人が多い)

  • 黄グループの16列目~21列目は、Z世代系の語という印象(赤・黄・緑グループの回答者は知っている人が多い)

  • 黄グループの26列目~29列目は、ニュース系(紫グループの回答者は知っている人が多い)

また、緑グループ後半の回答者(70行目〜79行目)は、みんなが知っている語(青グループ)以外は、どれもあまり知らないという特徴が伺えます。一方、同じ緑グループでも、前半の回答者(59行目〜69行目)は、比較的どれもよく知っているという特徴が伺えます。

上のスポーツ系・Z世代系・ニュース系の3種類は、年齢で特徴が見えそうなので、属性分布も見てみましょう:

青の回答者グループ(スポーツ系に詳しい):
30代が44.4%で顕著に多い(全体で見たときは31.4%)
赤の回答者グループ(Z世代系に詳しい):
女性が76.2%で顕著に多い(全体で見たときは57.8%)
黄の回答者グループ(Z世代系に詳しい):
40代が52.9%で顕著に多い(全体で見たときは31.4%)
紫の回答者グループ(ニュース系に詳しい):
40歳以上が65.4%で若干多い(全体で見たときは52.9%)

赤の回答者グループ(Z世代系に詳しい)は、年齢ではなく性別に特徴が出ていますね。

おわりに

さて、いかがだったでしょうか。グループ分けはそんなにバチバチに分かれているわけでもないですが、およそイメージがつきやすい傾向が見て取れる気がします。黄グループのニュース系の語に「別班/VIVANT(ヴィヴァン)」が入っているのも、個人的には頷けます。

Askaでは、意見の投稿もできるので、次回はユーキャンの候補が発表される前に、候補の提案まで含めてできるといいなと思います!(忘れてそうですが…)

Askaboutについて

Askaboutでは、特定の業界でニーズがありそうな問いを、Askaという意見共有プラットフォームを用いて調査していきます。

* 調査は、基本的に記述統計的な視点での議論を中心に書いていきます。統計的有意性の観点からの記述は基本的に含めませんが、予めご了承ください。

案件募集

Askaboutでやっているような調査をやってほしいという企業様がいましたら、お気軽に下記までご連絡ください。
https://aska.systems/contact


[*1] クラウドソーシングで募集に参加された方からの回答です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?