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鮭の話をもっと早く知りたかった私

ここ数年の「アラサー」期間で一番しんどかった事。
それはこれまでの友人のライフステージが変わり、見事に点でバラバラな生活になったこと。
またその状況に慣れるまでは友人と自分をつい比べてしまっていたこと。

彼氏はおろか、好きな人もいない毎日。責任ばかり増えていく仕事。外に出ることもNGだった時もそういえばあったね。
そんな日々でLINEを開けば突然の結婚報告や出産報告。

コロナ禍で友人からのお付き合い報告を受けた時は、真面目にStay Homeしていた自分がなんと馬鹿らしいと思ったことか。
今思い出すだけでもちょっとしんどい。

遅くまで残業して、その後いつも夜遊びしていた同期。毎回誰かの誕生日会をしていた学生時代からのグループ。四六時中お泊まり会をしていたバイト仲間。
いつも一緒にいたのに。
私だけ間違っていたのかなって思うくらい、みんなそれぞれ散らばっていった。


本当はしんどいくせに、それを誰にも吐露することができなかった。
もうこれで友情は終わりなんだなと思ったから。一緒に過ごした数年て何だったんだろうと思うくらい、散らばった途端連絡頻度が減った。
自分はつるむ友達を見る目がなかったのかな、ととんでもない悲劇のヒロインモードになっていた時、ある言葉に救われた。

女の人って“鮭”みたいなもので、別の川へと泳いでいったり海に出ていったりしながらも、最終的にはみんな戻ってくるんですよ。

https://telling.asahi.com/article/13249278


ジェーン・スーさんの言葉だ。
この記事を読んで、彼女がホストを務めるPodcastであるOver the sunも視聴し始めた。
そこでも同じ鮭の話をしていた。
もう一人のホストである堀井さんも同じ事を言っていた。

涙が止まらなかった。

私が感じていた孤独感は全然変なものではなかったんだという安心と、またいつかもっとパワフルになった自分たちで再集合できるんだ、という考えたことすらなかった喜び。

未来に絶対はないので、もちろん再集合できるかはわからない。
でもそんなに楽しい選択肢があるかもしれないなら、今はまずは自分の生活を楽しもうと思えるようになった。
だって将来再集合した時に、きちんと私もレベルアップしたおばさんでいたいじゃない。

今でこそ、noteにも30代前後の友人関係の変化については色々記事はあることを知っている。スーさん以外の先輩も同じようなことを言ってくださっており、全て優しいものばかり。
あぁ、数年前の私に必要以上に落ち込まず、note覗いてごらんと言いたい。必要以上にドラマチックになっていたと今では思うから。

‥その一方で、先人がくださる言わば人生のTipsのようなものを最初から完全装備した上で進む人生は、いつか心がついていかなくなる瞬間があるとも思う。
だって、20年後にまた再集合できるって思っても瞬間風速的には「悲しい」し「寂しい」ことに変わりはないから。
期せずしてその気持ちに割と向き合う時間が長かった分、その悲しさと寂しさを私は「抱えつつ」うまく対処できるようになった自負がある。

完全に私の胸から消えない寂しさも悲しさも否定せず、今日も静かに私は生活を続けている。

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