β-48 もくそう
楽曲を軸にさまざま書いていくシリーズ、第5回は山下達郎さんの「黙想」です。
達郎さんの1983年のアルバム、「MELODIES」に収録されている楽曲です。
「MELODIES」は、"夏だ!海だ!達郎だ!"という夏といえば、海といえば、このミュージシャンという路線からの方針転換を図った1枚ですね。
このときの達郎さんは30歳、当時、音楽業界で30歳を過ぎてなお、代表曲を出し続けるのは簡単ではなく、かと言ってムーン・レコードに移籍して初のアルバム、なおかつその代表ミュージシャンとして、一定以上の枚数は売り上げなければならなかった背景がありました。
1983年まで、いわゆる"夏"と"海"のキャンペーンで波乱の業界で生き残れてはいたものの、それも長くてあと数年で頭打ちになるという危機感があったそうで、あと数年しか活動できないのなら、SUGAR BABE時代のような流行りものに流されない音楽をつくりたいと考えた達郎さん、サウンド重視でこれまで手掛けてきたなか、これからもそのことは忘れずに、ただ職業作詞家としてのクオリティには届かないにしても自身で作詞していくことはこれからも活動を続けていくなかでとても重要な要素と考え、構成されたアルバム。
自身の路線を貫きながら、チャートで1位を記録し、なおかつ「高気圧ガール」や「クリスマス・イブ」などのヒットソングも現在に至るまで浸透しているかと思います・・・どちらもこのアルバムに収録されてますね。
私としても、このアルバムに収録されているすべての楽曲を定期的に聴いております。
もっとも、「MERODIES」に限らず、すべてのアルバムを毎日ではないけれど2ヶ月に1回のペースで聴いているんですがね・・・それは置いといて。
今回取り上げる「黙想」は、1分33秒のとても短い楽曲。
出てくる楽器はピアノのみ、あとは達郎さん自身のコーラスと歌声のみというシンプルかついかにも達郎さん"らしいなあ"と感じさせる一曲。
アルバムでは、この直前に「あしおと」という気の弱い男の子の片想いを描いた一曲で、直後が言わずと知れた「クリスマス・イブ」で、「黙想」はこの「クリスマス・イブ」に弾みをつけるための一曲で書き上げたそうです。
ただ、微妙に「あしおと」にもかぶせているような・・・というのは、歌詞から感じ取ってしまいました、そこまで深い思い入れはないのかもわかりませんが。
1分33秒の楽曲なので、歌詞もとっても短いです。
そっと瞳を閉じれば、遠い愛の想い出が浮かんでくる、いつの日かきっと巡り合えるからいまはひとりそっと・・・という歌詞です。
やや端折ってしまってますが、原曲の歌詞もこれくらいの短さです。
「黙想」は、瞳を閉じてなにかを想像すること。
状況に応じてなにを想像するかはわかりません。
歌詞のようにかつての愛の想い出を振り返り、きっと出逢えるよまた・・・なんてのもあるかもしれませんし、それは千差万別です。
そして、「黙想」はそんな何分もするようなものではなく1~2分というのが平均したところではないでしょうか。
この楽曲の収録時間も大体おんなじくらいです。
ちなみに私は、「黙想」を聴いている間、「あしおと」の男の子が、黙想してるのかななんて考えながら、「クリスマス・イブ」にどんなことが待ってるのだろうと想像しながら聴いていることが多いです。
だけど、「あしおと」は結局「どうなったんやろ?」とモヤモヤするし、「クリスマス・イブ」もあんましハッピーではない展開だし、ちょっとそのことでブルーになりがちですが、その間に挟まれた「黙想」は淡い期待を浮かばせてくれるような情景がたまらないのです。
あくまで詞の視点だけどね、メロディの視点ではいずれもこれが"最高の音質"か~と唸ってるだけ(笑)
でも、詞に寄せるとまた違いを楽しませてくれる、そのきっかけとなった楽曲を紹介しました。
それでは、また。あした・の・β<ベータ>でした。。
ここまで読んでいただいてありがとうございます(人''▽`) 間髪入れずに言ってみますか・・・ よろしければ!でもまさかね・・・